民家

浜坂先人記念館「以命亭」 後編

店の間の奥は仏間になっており、立派な仏壇が備え付けられている。 仏間 仏壇 仏壇中央には釈迦如来座像が祀られている。 仏間は、この家の中央にある。仏教がこの家の精神的中心にあったということだろう。 店の間の東側には居間が2部屋南北に連なっている…

浜坂先人記念館「以命亭」 前編

8月20日に但馬の史跡巡りを行った。兵庫県美方郡新温泉町を巡る旅であった。 私が住む西播磨から新温泉町に行くには、播但連絡道路を使って豊岡に出てから西に行くよりも、鳥取自動車道を使って鳥取に出てから東に行った方が早く安あがりである。今回もその…

龍徳山大隣寺 妙囿山日香寺

芳心寺の北隣に、臨済宗の寺院、龍徳山大隣寺がある。 大隣寺遠景 大隣寺山門 この寺の境内には、十六羅漢石像や、宝暦六年(1756年)に建てられた三界万霊塔があるという。 山門に近づいてみて驚いた。山門に「境内撮影禁止」と書かれた札が掛かっている。 …

乾向山東隆寺大雲院 立川吉村家住宅

7月30日に因幡の史跡巡りを行った。 暑い盛りで、鳥取市は猛暑日だった。 最初に訪れたのは、鳥取市立川町4丁目にある天台宗の寺院、乾向山東隆寺大雲院である。 大雲院 東隆寺大雲院の開基は鳥取藩藩祖池田光仲で、開山は光仲の従弟の池田公侃(こうかん…

旧犬養家住宅 犬養木堂記念館

吉備津神社西側の駐車場の奥に、備中国賀陽郡庭瀬村川入(現岡山市北区川入)出身で、第29代内閣総理大臣になり、昭和7年に発生した五・一五事件で殺害された政治家犬養毅の銅像が建っている。 犬養毅の銅像 犬養家(元は犬飼といった)の祖先の犬飼健命は…

倚松庵 後編

倚松庵は2階建てである。1階廊下の中央に階段が付いている。 食堂から見える階段 階段 階段は、当時の日本家屋のものにしては、それほど急ではない。 2階には、東から順に8畳和室、6畳和室、4.5畳和室の3部屋がある。 階段を上がると2階の廊下があり…

倚松庵 中編

谷崎が昭和18年から昭和23年にかけて執筆し、昭和24年に全巻を出版した大作「細雪」は、谷崎が昭和11年から昭和18年まで住んだ倚松庵での生活を題材にしている。 「細雪」の主役は、大阪船場の商家蒔岡家出身の四人姉妹である。 婿養子を迎えて船場の蒔岡家…

倚松庵 前編

神戸市東灘区住吉東町1丁目にある谷崎潤一郎の旧居・倚松庵(いしょうあん)を訪れた。 倚松庵 倚松庵は、昭和4年に建てられた和風建築で、谷崎が昭和11年11月から昭和18年11月までの7年間にわたり住んだ家である。 元々は現在地から約150メートル南に建…

赤和瀬

日本原子力研究開発機構の敷地の東側の谷間に、赤和瀬(あかわせ)と呼ばれる集落がある。 赤和瀬川沿いに田畑が広がる典型的な日本の農村の風景である。 赤和瀬の風景 本当に美しい風景だ。ここは、かつて木地師と呼ばれた職人集団が住み着いた集落である。…

福知山市治水記念館

常照寺から南に行った福知山市下柳町に、度重なる水害に苦しんできた福知山の治水事業の内容や、洪水被害について展示している福知山市治水記念館がある。 福知山市治水記念館 福知山市治水記念館は、明治時代初期に建てられた元呉服屋の町屋を改築したもの…

富地域の史跡

岡山県苫田郡鏡野町の北西部に位置する富地域は、1000メートル級の山々に囲まれた自然豊かな地域である。 前回紹介した布施神社は、この地域の精神的な拠り所となる大切なお社である。 富地域の中心は、富西谷の富振興センターの辺りになるが、富振興センタ…

港町下津井 後編

むかし下津井回船問屋の2階には、下津井の信仰や漁に関する資料が展示してある。 むかし下津井回船問屋2階への階段 江戸時代中期には、お伊勢参りと同様に、讃岐の金毘羅さんも一生に一度は参詣したい場所とされ、全国から参詣者を集めた。 金毘羅さんとは…

港町下津井 前編

下津井は漁港であり、タコ漁で有名である。 下津井漁港 下津井には、タコ料理で有名な保乃家(やすのや)がある。私がまだ24歳のころ、保乃家でタコのフルコース料理を食べて、あまりの美味しさに感激した記憶がある。 今は漁港の下津井だが、江戸時代から明…

城下町豊岡

豊岡陣屋の付近には、かつて豊岡藩の家臣が住んだ武家屋敷が並んでいた。 豊岡陣屋跡から東に行くと、豊岡藩家老石束家の屋敷跡がある。 石束家屋敷跡 寛文九年(1669年)に、石束源五衛毎公(つねとも)の娘として、この地で生まれたのが、赤穂藩家老大石内…

若桜往来、智頭往来沿いの史跡

倉田八幡宮の参拝を終えて北上し、鳥取市正蓮寺にある面影山という小山に向かう。 この山の西麓に建つ面影神社の鳥居の手前に、鳥取県指定保護文化財である木造毘沙門天立像、木造吉祥天立像を祀る毘沙門堂がある。 毘沙門堂 毘沙門堂は、新しい建物である。…

鳥取市 福田家住宅

若桜往来を歩いて紙子谷(かごだに)集落に入ると、田の稲刈りが行われていた。 秋は収穫の季節である。 集落の中に、茅葺屋根、入母屋造りの民家がある。江戸時代に地元の大庄屋を務めた福田家の屋敷である。 福田家住宅 福田家は、江戸時代以前は在地土豪…

出石家老屋敷

宗鏡寺から出石の中心街に歩いて戻る。 豊岡市出石町内町に、出石藩の家老屋敷が残っている。 明治維新後、出石城の建物はほとんどが壊された。また明治9年の大火で、出石の町は甚大な被害を受けた。 しかしこの家老屋敷は生き残り、現代に伝えられている。…

一乗山経王寺 加藤弘之生家

歴史と学びの小径を東に歩き、出石町下谷にある日蓮宗の寺院、一乗山経王寺を訪れる。 一乗山経王寺(左が鐘楼) 寺伝によれば、永禄年間(1558~1570年)にこの地に真言宗の寺院、会稽山薬王寺が創建された。 薬王寺は、江戸時代にこの地を訪れた法音院日道…

産土八幡神社 旧朝倉家住宅

高源寺の参拝を終え、丹波市青垣町沢野にある産土(うぶすな)八幡神社を訪れた。 高源寺参拝中は雨が降っていたが、八幡神社を訪れた時は、一時的に雨が上がった。この後天候が目まぐるしく変わることになる。 産土八幡神社鳥居 この神社は、集落の中の小さ…

甘棠亭 青谿書院

名草神社の見学を終えて、妙見山から下山した。 進路を北に取り、円山川を越えて、兵庫県養父市八鹿町伊佐にある甘棠亭(かんとうてい)を訪れた。 甘棠亭は、延宝四年(1676年)に出石藩の6代目藩主小出英安(ふさやす)が、伊佐の新田を視察に来た時に、…

養父神社 後編

養父神社本殿の奥にあるのが山野口神社であるが、そこに至るまでの参道の脇に、末社迦遅屋(かじや)神社がある。 迦遅屋神社 迦遅屋神社の祭神は、奥津彦命、奥津姫命、猿田彦命、表米親王であるが、別名猫の宮とも呼ばれ、鼠除けの神様として信仰されてい…

河原町妻入商家群

篠山の街並みの東側に、東西に古い商家群が軒を連ねる一帯がある。 丹波篠山市河原町の河原町妻入商家群である。 河原町妻入商家群 千本格子、荒格子、虫籠窓などを持った瓦葺、白壁の商家が道の両側に続く。 白壁の街並みを歩くと、江戸時代後期から明治時…

青山歴史村

御徒士町武家屋敷群の見学を終えた後、篠山城跡の北側に広がる丹波篠山市北新町にある青山歴史村を訪ねた。 青山歴史村 青山歴史村には、篠山藩主青山家が明治時代に別邸として使用した桂園舎を中心に、青山家に伝わる古文書を収蔵した土蔵や、篠山藩士の教…

御徒士町武家屋敷群

篠山城跡西側の外堀に面して建つのが小林家長屋門である。 小林家長屋門 小林家は、第12代藩主青山忠裕に老女として仕えた小林千枝が住んだ家である。 小林家長屋門は、忠裕が千枝の多年の労に報いるため、文化年間(1804~1818年)に修築したものとされてい…

神戸市北区山田町の農村舞台その1 箱木千年家

雪見御所旧跡の見学を終え、国道428号線、通称有馬街道を北上し、神戸市北区に入る。 神戸市北区には、あまり知られてはいないが、江戸時代から続く文化が息づいている。 それは、神社で演じられる農村歌舞伎等の演芸である。 丁度1年前に紹介した神戸市北…

養父市大屋町蔵垣・大杉地区

城の山古墳と池田古墳の見学を終え、一路兵庫県養父市大屋町を目指す。 大屋町は、山に囲まれた谷間に集落が点在する農村地帯である。 この大屋町の蔵垣、大杉地区は、江戸時代から養蚕業が盛んである。 宝暦三年(1753年)、蔵垣に生まれた上垣守国は、明和…

上板井原集落

石谷家住宅の見学を終え、智頭宿を散策した後、スイフトスポーツで鳥取県八頭郡智頭町市瀬板井原にある上板井原(かみいたいばら)集落を目指して走る。 上板井原集落は、牛臥山の北側の山腹にある集落である。標高約430メートル、智頭の町からでも約130メー…

石谷家住宅 その5

2階の廊下を洗面室と反対の方向に行くと、突き当りに表の間がある。 表の間に向かう 表の間 表の間の床柱と床脇 表の間は、山で樹を守る仕事をしていた山番たちの新年会に使われた部屋だという。 この表の間の欄間の彫刻が、山陰らしくて面白かった。 隠岐…

石谷家住宅 その4

石谷氏庭園をしばし眺めてから、石谷家住宅の2階へ上がる。 ある意味で、この建物の最大の特色は、2階へ上る階段にある。 洋風螺旋階段 石谷家住宅は、典型的な和風建築だが、階段は洋風の螺旋階段である。あくまでも洋風の木造階段で、和テイストを色濃く…

石谷家住宅 その3

和室応接の見学を終え、奥にある新建座敷への畳敷きの渡り廊下を行く。 畳敷きの渡り廊下 この渡り廊下の左手に、江戸時代の書家・市河米庵の書が書かれた屏風がある。 市河米庵の書 市河米庵は、安永8年(1779年)から安政五年(1858年)を生きた書家であ…