摂津

旧大庄村役場 尼崎市立大庄小学校

阪神甲子園球場の見学を終えて、尼崎市大庄西町3丁目にある、旧大庄村役場を訪れた。 ここは現在、尼崎市立大庄公民館となっている。 旧大庄村役場 尼崎市の大庄地区は、昭和17年に尼崎市に合併されるまで、兵庫県武庫郡大庄村という自治体であった。 私の…

阪神甲子園球場

大観楼跡を後にして、西宮市甲子園町にある阪神甲子園球場を訪れた。 阪神甲子園球場 阪神甲子園球場は、プロ野球球団阪神タイガースの本拠地として、また全国高校野球の聖地として知られている。 経営は、鉄道会社の阪神電鉄である。 阪神電鉄は、大正11年…

白鹿記念酒造博物館 後編 今津小学校六角堂

酵母菌によって発酵し、アルコールを含むようになった醪を酒袋に入れ、槽(ふね)の中に入れ、槽の上に置いた錘をてこの原理を用いて上から押して、酒袋の中の醪を圧搾して酒を絞り出す。 これがしぼりの工程である。 酒袋 しぼりの工程 酒袋には酒粕が残り…

白鹿記念酒造博物館 中編

酒造の工程は、先ずは酒米の洗米、浸漬に始まる。日本酒は米から造られる。酒米は、酒造用に栽培された米で、灘五郷では、兵庫県美嚢郡や三木市で栽培される山田錦が主に使われている。 山田錦 斗桝で計った白米を踏桶に入れ、水を入れて3回に分けて足で踏…

白鹿記念酒造博物館 前編

旧辰馬喜十郎住宅の隣に、辰馬本家酒造株式会社が経営する白鹿記念酒造博物館がある。 辰馬本家酒造は、寛文二年(1662年)創業で、白鹿は辰馬本家酒造が造る酒の銘柄である。 白鹿記念酒造博物館 白鹿記念酒造博物館は、辰馬本家酒造によって、明治25年築造…

宮水発祥の地 旧辰馬喜十郎住宅

西宮市久保町に、宮水発祥之地碑と陰刻された石碑が建っている。 宮水発祥之地碑 江戸時代以降、武庫川から生田川の間は、灘五郷と呼ばれる酒造地帯であった。 西宮郷もその一つであった。 江戸時代の酒は、「秋落ち」と言って、夏を越して秋になると味が落…

阪神間の近代学校建築 後編

上ヶ原キャンパスの東側には、昭和4年のキャンパス建設時から残る外国人住宅が複数建っている。 関西学院に勤める外国人職員のために建てられたものだろう。 外国人住宅 表札を見ると、外国人の名前が書いてある。今でも関学に勤める外国人職員が居住してい…

阪神間の近代学校建築 中編

文学部の南側には、関学の関学たる所以と言ってもよい神学部の建物がある。これも昭和4年の上ヶ原キャンパス発祥時からの建物だ。 神学部 神学部の建物の屋根の上には、十字架を戴いた塔が建っている。 日本離れした美しい建物だ。 神学部 屋根の上の塔 神…

阪神間の近代学校建築 前編

阪神間には、モダンな建築物が多い。 関東大震災で東京が被害を受けた後の昭和初期は、大阪は大大阪と呼ばれ、東京を超える都会であった。 大阪の通勤圏である阪神地区には、阪急電車が通って急速に宅地造成が進んだ。 谷崎潤一郎が阪神間に住んだ時代は、ま…

武庫山神呪寺 後編

神呪寺の境内南東側には、展望台があって、そこから大阪の市街を遠望することが出来る。 大阪市街には靄がかかっていて、幻想的な景観であった。 大阪平野 大阪のビル群が靄に包まれている。あそこに沢山の人たちがいる。 こうして見ると、人の世界は小さな…

武庫山神呪寺 中編

本堂の西隣には、神呪寺鎮守の弁財天が祀られている。甲山の水の神様である。 弁財天 弁財天の安置されている宮殿 弁財天の安置されている宮殿の前には、地元の西宮で醸造されたと思われるお酒が沢山奉納されている。 神様は、お酒がお好きなのであろうか。 …

武庫山神呪寺 前編

廣田神社の参拝を終えて、西宮市甲山町にある真言宗の寺院、武庫山神呪寺(かんのうじ)に向かった。 神呪寺は、西宮を象徴する甲山(かぶとやま)の中腹にある寺院である。 甲山は、太古の火山活動で発生した溶岩が固まって出来た山で、長年の風雨により削…

廣田神社 後編

兜麓底績碑の前から立ち去り、廣田神社境内に進んだ。 境内を歩く 廣田神社境内は、私の父が子供の頃遊んでいた場所だ。 廣田神社は、「延喜式」で定める二十二の名神大社の内の一社である。平安時代初期には、全国有数の神社となっていた。 明治4年には、…

廣田神社 前編

1月19日に兵庫県西宮市の史跡巡りを行った。 最初に訪れたのは、西宮市大社町にある廣田神社である。 廣田神社 廣田神社の祭神は、天照坐皇大御神(あまてらしますすめのおおみかみ)の荒御魂(あらみたま)である。皇祖神天照大御神の荒ぶる御魂である。 …

今津灯台

御前浜から東に行き、東川を越えて、西宮市今津真砂町にある今津砲台の跡地に赴いた。 今津砲台記念碑 今津砲台跡から海を望む 今津砲台は、西宮砲台と同じく、江戸幕府が文久三年(1863年)から慶応二年(1866年)にかけて建設した砲台である。 西洋式砲台…

西宮砲台 

西宮市教育文化センターから西に歩き、夙川を越えると、昔香櫨園(こうろえん)と呼ばれていた一帯に出る。 香櫨園の辺り 香櫨園は、明治40年に開園した娯楽施設の名である。博物館、動物園、グラウンド、奏楽堂、宿泊施設、ウォーターシュートなどがあった…

西宮市立郷土資料館

西宮神社の参拝を終え、西宮市川添町にある西宮郷土資料館を訪れた。 西宮市郷土資料館のある西宮市教育文化センター 西宮市立郷土資料館は、西宮市立中央図書館などの入る西宮市教育文化センターの中にある。 西宮市内の遺跡から発掘された遺物や、生瀬(な…

西宮神社 その4

さて、いよいよ西宮神社の拝殿と本殿を紹介したいところなのだが、私が訪れた日は、残念ながら拝殿、本殿は改修工事中であった。 改修中の拝殿と本殿 かろうじて銅板葺の拝殿の屋根が見えるのみで、本殿は覆いに覆われて全く見えなかった。 拝殿の屋根 仕方…

西宮神社 その3

境内を歩いていると、灘五郷の酒造業者が奉納した酒樽が並べられている棚がある。 奉納された酒樽 酒造蔵に行くと、必ずと言っていいほど神棚が祀られている。酒造りも、神々の加護があって初めて上手く行くということだろう。 これらの酒樽は、神への感謝の…

西宮神社 その2

西宮神社には、数多くの摂社、末社がある。 国指定重要文化財の表大門の前には、梅宮(うめのみや)神社がある。 梅宮神社 梅宮神社の祭神は、酒解(さけとけ)神である。娘の木花咲耶(このはなのさくや)姫の安産を祝って、日本で初めて酒を醸したことから…

西宮神社 その1

芦屋市の史跡巡りを終え、東隣の西宮市に入った。 西宮を代表するお社である西宮神社を訪れた。西宮市社家町にある。 西宮神社 西宮神社の創建については、詳しいことは分かっていない。 平安時代末期に高倉上皇が幣帛を奉ったという記録が残されている。 祭…

金津山古墳 朝日ヶ丘遺跡

阿保親王塚古墳の南側、翠ヶ丘台地の先端部に当たる芦屋市打出小槌町からは、打出小槌遺跡が発掘された。 打出小槌遺跡が発掘された辺り 打出小槌遺跡からは、約2万年前の石器である、国府(こう)型ナイフ形石器が発掘された。 芦屋市内で最古の出土品であ…

阿保親王塚古墳

芦屋市翠ヶ丘町の町並みの中に、鬱蒼と茂る樹々の固まりがある。 第51代平城天皇の第一皇子、阿保親王の陵墓とされる阿保親王塚古墳である。 阿保親王塚古墳 平城天皇は、退位して上皇となった後、寵愛した藤原薬子に唆され、弟の第52代嵯峨天皇に対して兵を…

芦屋市の大坂城刻印石

芦屋市業平町にある芦屋市民センターの敷地には、徳川秀忠が元和六年(1620年)に諸大名に再建工事を命じた大坂城の石垣用石材が展示されている。 この石材は、芦屋市西山町で見つかったものである。 芦屋市民センターの大坂城刻印石 大坂城刻印石の説明板 …

ヨドコウ迎賓館 その6

階段で4階に上がると、食堂がある。 食堂のドア 食堂は、暖炉を中心に左右対称の形をしている。 欧米では、食堂は儀式の場であり、厳粛な気持ちになるように造られているのだという。 暖炉 食堂のテーブル 食堂西側 食堂の天井は、中央部が最も高い船底形を…

ヨドコウ迎賓館 その5

3階の奥には、寝室3室と婦人室1室がある。 とは言え、今は寝室としては使われておらず、往時の面影はない。 最も南側の寝室には、部屋の中央に当時あったものを再現した机と椅子が置かれていて、書斎のような雰囲気を出している。 南側寝室の入口 南側寝…

ヨドコウ迎賓館 その4

和室西側の廊下の突き当りを右折すると、靴箱がある。 ここからが、ヨドコウ迎賓館が個人の住宅だった時代の家族の生活スペースである。 靴箱 廊下を挟んで、この靴箱の向かい側に、洗面室や浴室などがある。 靴箱(右)と洗面室(左)の窓 洗面室の窓 先ず…

ヨドコウ迎賓館 その3

2階応接室、給湯室の見学を終え、3階に上がる。 3階への階段 3階に上がると、最初に広間に導かれる。広間は、三間ある和室の南側にある空間で、広い窓がついた開放的な場所である。 広間の中央には、ヨドコウ迎賓館の模型が置かれている。 広間 ヨドコウ…

ヨドコウ迎賓館 その2

ヨドコウ迎賓館の2階には、この建物の顔とも言える応接室がある。 応接室の入口 応接室の入口は狭い。そのため、応接室に入ると、部屋を広く感じる。フランク・ロイド・ライトの工夫した空間作りである。 応接室 応接室は、南北に長く伸びた形をしている。…

ヨドコウ迎賓館 その1

芦屋市山手町の斜面に建つ国指定重要文化財、ヨドコウ迎賓館を見学した。 ヨドコウ迎賓館 ヨドコウ迎賓館は、大正7年に、灘の酒造家・山邑太左衛門が、来日中の米国の建築家フランク・ロイド・ライトに、別邸として設計を依頼した建物である。 フランク・ロ…