2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

勝福寺 板宿八幡神社

神戸市須磨区大手町9丁目の、高尾山の麓に建つのが真言宗の寺院、勝福寺である。 勝福寺への石段 山門 永延二年(988年)、太政大臣藤原伊尹(これただ)の三男英雄丸が、勅命により証楽上人と名を改め、高取山に庵を結び、鹿松峠に出没していた鬼を仏教の…

須磨離宮公園

神戸市須磨区東須磨1丁目にある須磨離宮公園は、かつて皇室の別荘の武庫離宮があった場所である。 この高台は、在原行平が月を愛でた月見山があった場所とされている。近代になって、そこに浄土真宗の法主にして探検家の大谷光瑞の別荘が建てられた。 大谷…

多井畑厄除八幡宮

神戸市須磨区多井畑宮ノ脇の多井畑(たいのはた)厄除八幡宮を参拝する。 多井畑厄除八幡宮 地元では「やくじんさん」と呼ばれており、厄除祭で著名な神社だ。祭神は第15代応神天皇である。 称徳天皇の神護景雲四年(770年)に、全国に大流行した悪疫を鎮め…

須磨寺 その5

八角堂から西に向かうと上り坂になる。 五智如来と呼ばれる、金剛界曼荼羅の中央に描かれる如来の石像がある。 五智如来の石像 写真の右から順に、阿閦(あしゅく)如来、不空成就(ふくうじょうじゅ)如来、大日如来、阿弥陀如来、宝生(ほうしょう)如来で…

須磨寺 その4

宝物館を出て石段を登ると、ようやく唐門に辿り着く。 唐門 須磨寺は、かつては7堂12坊を有する大寺であったが、戦乱の世を経て衰退し、幕末には、本堂、大師堂、仁王門しか残っていなかった。 明治中期以降境内が整備され、今の伽藍が整った。この唐門も、…

須磨寺 その3

源平の庭を見下ろすように建つのが、仏教寺院風の装いをした鉄筋コンクリート製の建物、宝物館である。 宝物館 宝物館には、須磨寺ゆかりの品々が多数納められ、公開されている。 宝物館の手前には、「ぶじかえる」という蛙のオブジェがある。 ぶじかえる ユ…

須磨寺 その2

亜細亜万神殿の参拝路を挟んだ向かい側には、塔頭の正覚院がある。 正覚院 正覚院には、愛染明王像が祀られていて、その前で僧侶がお経を唱えていた。 愛染明王像とお勤めをする僧侶 正覚院の欄間の彫刻 愛染明王は、憤怒の形相をしているが、これは悟りの心…

須磨寺 その1

神戸市須磨区須磨寺町にある上野山福祥寺は、通称須磨寺と呼ばれている。真言宗須磨寺派の大本山である。当ブログでも、通称の須磨寺の名で紹介する。 真言宗には、全部で18の大本山があるが、その一つである。 私は真言宗の信徒なので、18の大本山を訪問す…

松風村雨堂

綱敷天満宮から北に歩き、山陽電鉄須磨寺駅まで行く。 須磨寺駅の東側出口のすぐ傍に、「平重衡とらわれの松跡」がある。今は小さな祠があるだけである。 平重衡とらわれの松跡 かつてこの辺りには、大きな松の木があったという。 平重衡は、平清盛の五男で…

綱敷天満宮

村上帝社から国道2号線を東に進み、神戸市須磨区天神町2丁目に入る。2号線北側に鎮座するのが、菅原道真公を祭神とする綱敷(つなしき)天満宮である。 綱敷天満宮鳥居 菅原道真公が藤原時平の讒言により失脚し、大宰府に船で向かう途中、須磨沖に差し掛…

村上帝社 関守稲荷神社

神戸市須磨区須磨浦通4丁目にある村上帝社は、「天暦の治」と呼ばれる天皇親政を布いて、国風文化の黄金期を招来した第62代村上天皇を祀る神社である。 村上帝社 赤鳥居脇の「村上帝社琵琶達人師長」の石碑 天暦年間は、西暦947年から957年までの間である。…

安徳宮

神戸市須磨区一ノ谷2丁目に、安徳天皇の内裏跡伝承地がある。 そこは住宅街の中の狭い一角だが、安徳天皇を御祭神として祀る安徳宮と、宗清稲荷社と呼ばれる小さなお稲荷さんが建っている。 安徳宮 安徳宮と宗清稲荷社 写真正面の社が、幼帝安徳天皇を祀る…

敦盛塚 

神戸市の垂水区から須磨区に入ると、律令制の行政単位で言う摂津国に入ったことになる。 摂津は畿内のなかの一国である。畿内は言うまでもなく、山城、大和、摂津、和泉、河内の五カ国である。これから日本の歴史上、長らく「首都圏」だった地域の史跡を巡る…

明延鉱山

兵庫県養父市大屋町明延(あけのべ)には、かつて明延鉱山と呼ばれる鉱山があった。 明延から採れた銅は、天平時代に東大寺の大仏を鋳造する際に奉献されたとも伝えられている。 明延鉱山は、平安時代初期の大同年間(806~810年)に採掘が始まったとされ、…

神子畑選鉱場跡 後編

神子畑選鉱場跡の前の広場には、通称明延一円電車と呼ばれた電車が展示されている。 明延一円電車 一円電車の客車 養父郡の明延鉱山と神子畑選鉱場との間を、鉱石と乗客を運ぶために走った電車である。 遊園地の乗り物の電車と大差ないような小さな電車であ…

神子畑選鉱場跡 前編

明治11年(1878年)に、現在の兵庫県朝来市佐嚢(さのう)の地で鉱山が発見された。神子畑(みこはた)鉱山である。神子畑鉱山からは、良質な銀が採掘された。 明治14年に神子畑鉱山が本格開鉱してから、採掘された銀を生野まで運ぶための馬車道が整備された…

雲頂山大明寺

生野銀山を出て、国道429号線を丹波方面に向けて走る。 生野ダムが堰き止めて出来た銀山湖の畔の道を、スイフトスポーツで疾走する。ダム湖沿いの曲がりくねったワインディングロードを、右へ左へとハンドルを切って進む。私は、ここを走って、漸くZC33Sの限…

生野銀山 その5

金香瀬坑道から出て、坑道の裏山に点在する露頭群を巡り歩くことにする。 露頭とは、地表に露出した鉱脈のことで、江戸時代までは、こうした露頭を掘り進んで鉱石を掘り出した。 金香瀬旧坑露頭群案内図 金香瀬坑口のすぐ側に不動の滝と呼ばれる滝が滾り落ち…

生野銀山 その4

昭和の鉱山の作業の様子を引き続き見学する。 江戸時代には鑿で手掘りしていた鉱山も、昭和の時代には削岩機、削孔機で掘り進めるようになった。 上向き削孔機を使用する作業員 坑道の岩盤が軟弱な箇所は、人為的に補強したが、その工法の一つである五枚合掌…