寺院

人麿山月照寺、柿本神社 前編

明石市立天文科学館の東側の空き地には、寛永十年(1633年)に初代明石城主小笠原忠真の後を継いで、二代目城主となった松平康直を供養する五輪塔がある。 松平康直供養の五輪塔 この五輪塔が珍しいのは、通常は五輪塔の各石に梵字が彫られるところが、「地…

稲爪神社 長壽院

明石市大蔵中町にある稲爪神社は、三嶋大明神を祀る神社である。 稲爪神社神門 神門内の武人像 日本の正史である「日本書紀」には記載がないが、推古天皇の時代、朝鮮半島から、全身を鉄で覆った鉄人8千人が日本に攻めて来たという伝承がある。 日本側は九…

浜光明寺と朝顔光明寺

明石市鍛治屋町にある遍照山光明寺は、浄土宗の寺院である。 近くにある真宗大谷派の月池山光明寺と区別するため、通称「浜光明寺」と呼ばれている。 浜光明寺の山門 浜光明寺の山門は、屋根の瓦が崩れ始めている。しかし、彫刻などはなかなか見事なので、修…

明石市 善楽寺

兵庫県明石市は、江戸時代に明石藩の城下町として発展した。 今日は明石城下の寺院の一つ、明石市大観町にある善楽寺を紹介する。 善楽寺 善楽寺は、孝徳天皇の御代の大化年間(645~649年)に、法道仙人が創建したと伝えられる、明石で最古の寺院である。現…

淡河八幡神社

石峯寺を出発し、神戸市北区淡河町南僧尾の南僧尾観音堂に行く。 ここは、承和七年(840年)に創建された新善寺の本堂だったとされる建物である。 行って見ると、残念ながら修復工事中であった。 修復工事中の南僧尾観音堂 南僧尾観音堂は、建築年代は不詳だ…

岩嶺山石峯寺 後編

石峯寺が江戸時代に幕府や明石藩から手厚く保護されたことは前回に述べたが、境内には、石峯寺に御朱印寺領を与えた歴代徳川将軍の尊霊碑が建っている。 徳川将軍尊霊碑 さらに境内には、暦応四年(1341年)に建てられた石造五輪塔がある。兵庫県指定文化財…

岩嶺山石峯寺 前編

三木市吉川町の東光寺から南下して、神戸市北区淡河(おうご)町に入る。 私は今、播磨、備前、美作の三国の史跡巡りをしている。現在では、地元兵庫県でも、神戸市は播磨に入らないと認識されているが、実際の所は神戸市西区、垂水区の全域と須磨区、北区の…

姑射山東光寺

兵庫県三木市吉川町吉福にある、姑射山(こやさん)東光寺を訪れる。ここは、真言宗の寺院である。 東光寺は、三木市吉川町と三田市との境界付近にある。三田市は、摂津国の領域である。播州のほとんど東端までやってきたわけだ。 東光寺の入口 東光寺は、神…

如法寺無量壽院

大多羅寄宮跡から芥子山の山裾を巡り東に行くと、如法寺無量壽院がある。地名で言えば、岡山市東区広谷になる。真言宗の寺院である。 寺伝によれば、奈良時代の神亀二年(725年)に、大倫和尚によって創建されたと言われている。 無量壽院への参道 仁王門 こ…

金陵山西大寺 後編

金陵山西大寺の守護神として牛玉所殿(ごおうしょでん)に祀られてきたのが、牛玉所大権現である。 牛玉所殿には、それだけではなく、金毘羅大権現も合祀されている。 実は牛玉所大権現に合祀されている金毘羅大権現は、明治初年まで、讃岐の金刀比羅宮に祀…

金陵山西大寺 中編

西大寺の境内は広大で、がらんとしている。 その中で、一際大きい建物が、文久三年(1863年)に建立された本堂である。本堂は、岡山市指定重要文化財になっている。 幅五間の本堂は、岡山県下有数の巨大さで、軒が極めて高い。 本堂 本堂は、西大寺会陽(え…

金陵山西大寺 前編

岡山市東区西大寺中にある高野山真言宗別格本山金陵山西大寺は、いわゆる「裸祭り」の俗称で知られる奇祭・西大寺会陽で有名である。 私も会陽のイメージでしか西大寺を捉えていなかったが、訪れて見ると、神仏習合が今に息づく、なかなか力強さを感じさせる…

餘慶寺 後編

本堂の北側には、三重塔が聳える。私が史跡巡りで訪れた10番目の三重塔である。 三重塔 今の三重塔が建てられたのは、そう古くはない。旧塔跡に文化十二年(1815年)に再建されたものである。 西幸西村、草井幸右衛門らが私財を投げうって再建したそうだ。こ…

餘慶寺 前編

岡山県瀬戸内市邑久町北島にある上寺山餘慶寺は、天台宗の寺院である。 寺は、小高い丘の上にある。神仏習合の名残か、餘慶寺と接して豊原北島神社が建っている。 餘慶寺の案内板 餘慶寺は、天平勝宝元年(749年)に報恩大師が開創した。備前四十八寺の一寺…

備前長船 後編

備前長船刀剣博物館の前には、近代備前長船の刀匠今泉俊光の工房を再現した、今泉俊光刀匠記念館がある。 今泉俊光刀匠記念館 今泉俊光は、明治31年に佐賀県小城郡小城町で生まれ、祖父の影響を受けて幼いころから刀作りに興味を持ち、釘を潰して小刀を作っ…

和田山西仙寺

兵庫県西脇市西田町にある和田山西仙寺も、法道仙人が白雉二年(651年)に開基したと伝わる寺院である。法道仙人が、堂塔に仏舎利を安置して、開創したらしい。 現在は真言宗の寺院となっている。 西仙寺 天平勝宝元年(749年)に、播磨国を巡遊中だった行基…

西脇市 西林寺

東播磨は、法道仙人開基の寺が多いが、今日紹介する西林寺もその一つである。同寺は、西脇市坂本の山麓にある。 柏谷山西林寺は、白雉二年(651年)に法道仙人が開いたと伝わる寺院である。平安時代中期に恵心僧都が中興したとされる。今は真言宗の寺院とな…

西脇市 荘厳寺 後編

荘厳寺の本堂は、塔頭法音院右脇の苔むした石段を登った先にある。 私は今迄何度かこの寺に足を運んだことがあるが、この石段には来るたびに息を呑む思いをする。 本堂への石段 中世からのままではないかと思わせる、寂びた石段だ。石段の脇には、大師堂があ…

西脇市 荘厳寺 前編

兵庫県西脇市黒田庄町黒田にある荘厳寺は、真言宗高野山派の寺院である。寺伝では、白雉年間(650~654年)に、法道仙人が開基したと伝わる。 慶長年間(1596~1615年)に、徳禅上人が当山に入り、荒廃した寺を真言宗の寺院として再興した。盛時には参道に10…

多可町中区の寺院

今年3月22日以来、約2か月半ぶりに史跡巡りに出掛けた。今日まず訪れたのは、兵庫県多可郡多可町中区の寺院である。 多可町は、平成17年に多可郡の中町、八千代町、加美町が合併して誕生した自治体である。合併後、それぞれの町は区として名称を残すことと…

美咲町 本経寺

新型コロナウイルス対策のために発出された緊急事態宣言のため、史跡巡りは自粛中である。 宣言前に訪問した史跡は、今回紹介する本経寺で最後である。今日以降は、史跡の紹介は暫く休むことになる。 柵原鉱山資料館から西に行ってすぐの場所にあるのが、顕…

岩座神

兵庫県多可郡多可町加美区岩座神(いさりがみ)には、有名な棚田がある。 岩座神は、東播磨最高峰の千ヶ峰(標高1005メートル)の中腹の標高3~400メートルに位置する集落である。 岩座神の名の由来は、過去に「いわすわりかみ山」と呼ばれた千ヶ峰から来て…

五流尊瀧院

昨日の記事で紹介した熊野神社と隣接して建つのが、修験道の大本山、五流尊瀧院である。 役小角の五人の弟子が開いた修験道の五流の寺院の一つがその元である。 承久三年(1221年)、承久の乱が勃発し、三井寺長吏であった後鳥羽上皇の皇子・覚仁親王が難を…

若宮神社 歓喜院聖天堂

兵庫県三木市吉川町稲田の若宮神社は、毎年10月に行われる「ヤホー神事」という祭儀で知られている。 若宮神社の創建は詳らかではないが、「美嚢(みのう)郡誌」によれば、村の住民の久右衛門なる男が、妻の安産に喜んで小社を建て、石清水八幡宮から分霊を…

湯川山法光寺

北播磨地方は、酒米の産地である。有名なのは、山田錦である。 酒米の生育には、昼夜の寒暖差が大きい、内陸性の気候が適している。地形的には風通しがよい、丘陵地の山麓が最適で、粘質土壌の凝灰岩の地質がいいとされている。北播磨は、この条件に合致する…

伽耶院

兵庫県三木市志染町大谷にあるのが、本山修験宗の寺院の伽耶院である。 孝徳天皇の勅願により、法道仙人が大化元年(645年)に開基したと伝えられる。伝説では、法道仙人が、山中の清水から毘沙門天像を得たのがきっかけという。 古くは大谷山大谿寺東一坊と…

雲龍寺 三木市立みき歴史資料館

別所長治が居城とした三木城は、三木市上の丸町の小高い丘の上にあった。 曹洞宗の寺院、高源山雲龍寺は、三木城内にあった寺である。 雲龍寺は、村上天皇の勅命により、天徳二年(958年)に慈恵僧正が創建した。天皇の勅願所としての高い格式を誇ったが、そ…

三木市 法界寺 本要寺

兵庫県三木市東這田にある虚空山法界寺は、浄土宗の寺院である。 ここは、三木城を拠点とした戦国武将別所長治が埋葬された寺院である。 法界寺 法界寺は、天平四年(732年)に行基菩薩が開基したとされている。行基が聖武天皇の勅を奉じて全国を行脚してい…

千手山弘法寺

牛窓の町から少し北西に行った牛窓町千手にあるのが、千手山弘法寺である。 弘法寺の創建は古い。奈良時代に報恩大師が開基した備前四十八寺の一つであるとされている。 県道28号線を走ると、道沿いに、朱色に塗られた山門がある。 弘法寺山門 山門は、岡山…

牛窓町 本蓮寺 後編

本蓮寺の本堂は、明応元年(1492年)に再建されたものである。中門と同時代に建てられた。 正面五間、側面五間、寄棟造り、本瓦葺きの均整の取れた建物である。国指定重要文化財である。 本堂 この時代の寺院建築でよく見られる斗栱はなく、円柱の上に舟肘木…