2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

西条廃寺

人塚古墳に隣接した北山公園内にあるのが、兵庫県指定史跡の西条廃寺である。 7世紀後半に建設された伽藍の跡である。 現在は、中門跡、塔跡、金堂跡、講堂跡の基壇が再現整備されている。法隆寺の伽藍配置に類似している。 中門跡から廃寺全体を見る 中門…

西条古墳群

兵庫県加古川市西条山手にある西条古墳群と西条廃寺は、お互い隣接している。 西条古墳群には、元々弥生時代後期から古墳時代にかけての古墳が60数基あった。大規模な宅地造成によって、弥生時代の墳丘墓を含む多くの古墳は消滅してしまった。 大化二年(646…

報恩寺 長慶寺山古墳群

兵庫県加古川市平荘町山角にある印南山報恩寺は、真言宗の寺院である。 元明天皇の和銅六年(713年)、証賢上人の開基と伝えられる。 報恩寺山門 寺内には、数多くの石造遺品が残されている。寺勢が隆盛を誇っていた鎌倉時代から室町時代にかけてのものが多…

平荘湖古墳群

湖に沈んだ古墳。詩的な空想をかき立てさせられる言葉だ。 兵庫県加古川市平荘町池尻にある平荘湖は、昭和41年に、東播磨地域の工業地帯に工業用水を安定供給するために建設されたダムによって出来た人造湖である。 平荘湖が出来る前は、一帯には100基を超え…

中道子山城跡

兵庫県加古川市志方町岡にある標高271メートルの城山山上には、赤松円心の四男、赤松氏範が築城した中道子山(なかどうじやま)城跡がある。 赤松氏範は、終始一貫して足利幕府と北朝に与した円心や兄3人と異なり、最後まで南朝方に立って戦った武将である…

加古川市 長楽寺

兵庫県加古川市志方町永室にある大藤山長楽寺は、浄土宗の寺院である。 創建は、和銅六年(713年)。慈心上人が建立したとされる。最初は真言秘密の道場だったというが、和銅六年は空海が生まれる前である。創建時は真言宗の寺院ではなかっただろう。 長楽寺…

小原宿

伝宮本武蔵宅跡から北に行くと、左手に竹山が見えてくる。武蔵の父と伝えられる平田無二斎が仕えた新免氏の居城跡のある山である。 標高430メートルの竹山であるが、山頂まで舗装路が続いている。 竹山城登り口 ZC33Sで山頂まで走った。山頂には、車を置ける…

伝宮本武蔵宅跡 讃甘神社

以前、兵庫県高砂市米田町米田が宮本武蔵の出生地であるという説を紹介した。今回は、若いころ武蔵が修行を重ねた美作市宮本の地を紹介する。 美作市宮本には、武蔵の生家とされる家が伝わっている。 伝宮本武蔵宅 伝宮本武蔵宅の説明板によれば、武蔵の祖父…

美作市ところどころ

土居宿から西に進むと江見の町が見えてくる。そこから北上してすぐの美作市藤生に、江見廃寺がある。別名閻武廃寺という。白鳳期に建てられた寺院の跡であるという。 ゲートボール場の片隅に、一つだけ礎石が残っている。 江見廃寺の礎石 この付近からは、複…

土居宿

今回、播磨、備前に次いで美作に足を踏み入れた。史跡巡りを始めてから訪れた3つ目の国である。 畿内と出雲との間を結ぶ出雲街道の土居宿は、幕府の命により、慶長年間に津山藩主森忠政によって整備された。 土居宿は、播磨から美作に入って最初の宿場町で…

米田天神社 泊神社

剣聖宮本武蔵。 その出生地は播磨国だと言われている。出生地とされている高砂市米田町米田にある米田天神社を訪れた。 武蔵の甥で、武蔵の養子となった宮本伊織は、小倉藩の筆頭家老となったが、故郷の氏神である泊神社(現兵庫県加古川市)が荒廃している…

生石神社 覚正寺

兵庫県高砂市阿弥陀町生石にある生石(おうしこ)神社には、九州霧島高千穂峰の天之逆鉾、奥州塩釜神社の塩釜と並ぶ「日本三奇」の一つ、「石の宝殿」がある。 生石神社鳥居 大穴牟遅(おおなむち)命と少毘古名(すくなひこな)命の二柱の神が、国土経営の…

宝瓶山十輪寺

兵庫県高砂市高砂町は、古い町並みが続くレトロな界隈である。 そんな町並みの中にあるのが、高砂町横町の宝瓶山(ほうびょうさん)十輪寺である。 空海が遣唐使として唐に向けて航海中、海上安全を地蔵菩薩に祈願したところ、高砂沖で霊感を受けて無事に所…

高砂の寺院、高砂神社

高砂市伊保3丁目にある膽匐山(せいぶくさん)真浄寺は、浄土真宗の寺院である。 真浄寺 ここには、江戸時代中期の画家・曽我蕭白の描いた障壁画があって、兵庫県指定文化財となっている。 楼門 楼門の龍の彫刻 しかし、楼門の前の柵が閉ざされて、境内に入…

曽根天満宮

兵庫県高砂市曽根町にある曽根天満宮。ここは、菅原道真公ゆかりの神社である。 又、松原八幡神社に優るとも劣らない勇壮な秋季例祭で知られている。例祭は、毎年10月13、14日に行われる。私が訪れた日は、既に祭りが終わった後であった。 曽根天満宮 祭神は…

熊山遺跡

謎の遺跡、熊山遺跡。私が以前から行ってみたかった場所だ。 私が、備前国和気郡熊山に、不思議な場所があることを知ったのは、三島由紀夫の小説「鏡子の家」を読んだときである。 「鏡子の家」は戦後の虚無に直面した4人の青年のことを描いた小説だが、青…

和気清麻呂続編 伝足利義政供養塔・日野富子墓

「岡山県の歴史散歩」によれば、和気町田原井堰資料館の南東の山の斜面に、9世紀のたたら製鉄炉跡である、石生(いわぶ)天皇遺跡があるとのことだったが、案内標識もなく、発見することが出来なかった。 石生天皇遺跡のある山 遺跡のあるという山を撮影す…

田原井堰と田原用水

岡山藩の土木工事の偉人、津田永忠が手掛けた土木工事の中で、元禄時代の1690年前後に施工され、昭和まで約300年に渡って実用に耐えてきたのが、田原井堰(いせき)である。 井堰とは、水を他へ引いたり流量を調節するために、川水をせきとめる設備を指す。 …

北曽根城跡 法泉寺

再び岡山県和気郡和気町を訪れた。 JR和気駅の北側にある富士見橋を渡ると、目の前に聳えるのが、和気富士と呼ばれる城山である。標高173メートル。そう高い山ではない。 城山 城山の山上には、かつて北曽根城という山城があった。別名黒山城という。 戦国期…

山伏峠石仏 玉丘古墳群

兵庫県加西市玉野町にある山伏峠には、兵庫県指定文化財の2基の石棺仏がある。 山伏峠石棺仏 道側の1基は、高さ2.25メートル、幅1.24メートル、厚さ0.4メートルの大きな家型石棺に、蓮華座上の阿弥陀坐像を彫刻している。 奥にあるもう1基は、高さ2.1メー…