2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

津山洋学

旧梶村家住宅の西隣りには、津山洋学についての資料館、津山洋学資料館がある。 津山洋学資料館は、内部の撮影が禁止されている。その内部は、江戸時代の人々が、西洋の文物に触れた時に感じたような、「ハイカラア」なものであった。 荒俣宏氏の博物学の世…

旧梶村家住宅 後編

旧梶村家住宅の「座敷」と呼ばれる建物は、大正期に建てられた2階建ての建物である。1階、2階とも南側がガラス張りで、冬の日差しの暖かい日などは、この建物で過ごすと心地好いだろうと思われる。 「座敷」の全貌 主屋と座敷は、廊下でつながっている。座…

旧梶村家住宅 前編

城下町津山は、慶長八年(1603年)に、森蘭丸の末弟・森忠政が、信濃国川中島より美作18万6500石に封ぜられ、その後歴代藩主が町づくりをしたことで形成された。 忠政は、慶長九年(1604年)、鶴山に城を築くことを決め、鶴山の地名を津山に改めた。 津山城…

美作の古墳 2

前回に引き続き、今回も津山市周辺の地味な古墳を紹介する。 津山市下高倉西にある堀内三郎右衛門の顕彰碑から南下して、津山市高野山西にある正仙塚古墳を訪れる。 正仙塚古墳への登り道 正仙塚古墳は、小高い丘の上にある。周りを藪に囲まれていて、墳形を…

美作の古墳

大和盆地の纏向地方に前方後円墳が出現し始めたのが、3世紀初頭である。少なくともこの時期までに、現在の皇室につながる王権が大和に誕生したと言われている。最近の歴史学会ではこれを大和王権と呼んでいる。 大和王権は、大和の大王を首長として、その下…

雄岡山 雌岡山

神戸市西区神出(かんで)町に、綺麗な円錐形の山が2つ並んで聳えている。2つの山が並ぶ姿を遠くから見ると、女性の乳房のように見える。 雄岡山(おっこさん)、雌岡山(めっこさん)である。 雄岡山 雌岡山 御覧のように、双方似たような形であるが、高…

淡河八幡神社

石峯寺を出発し、神戸市北区淡河町南僧尾の南僧尾観音堂に行く。 ここは、承和七年(840年)に創建された新善寺の本堂だったとされる建物である。 行って見ると、残念ながら修復工事中であった。 修復工事中の南僧尾観音堂 南僧尾観音堂は、建築年代は不詳だ…

岩嶺山石峯寺 後編

石峯寺が江戸時代に幕府や明石藩から手厚く保護されたことは前回に述べたが、境内には、石峯寺に御朱印寺領を与えた歴代徳川将軍の尊霊碑が建っている。 徳川将軍尊霊碑 さらに境内には、暦応四年(1341年)に建てられた石造五輪塔がある。兵庫県指定文化財…

岩嶺山石峯寺 前編

三木市吉川町の東光寺から南下して、神戸市北区淡河(おうご)町に入る。 私は今、播磨、備前、美作の三国の史跡巡りをしている。現在では、地元兵庫県でも、神戸市は播磨に入らないと認識されているが、実際の所は神戸市西区、垂水区の全域と須磨区、北区の…

姑射山東光寺

兵庫県三木市吉川町吉福にある、姑射山(こやさん)東光寺を訪れる。ここは、真言宗の寺院である。 東光寺は、三木市吉川町と三田市との境界付近にある。三田市は、摂津国の領域である。播州のほとんど東端までやってきたわけだ。 東光寺の入口 東光寺は、神…

三木市 天津神社

兵庫県三木市吉川町前田にある天津神社は、国指定重要文化財の華麗な本殿を有する。 天津神社 拝殿 祭神は、天穂日(あめのほひ)命、天津彦根(あまつひこね)命、活津彦根(いくつひこね)命、天忍穂耳(あめのおしほみみ)命、熊野久須日(くまのくすび)…

古窯陶芸館

兵庫県西脇市野村町にある古窯陶芸館は、平安時代末期の窖窯跡を、ドームで覆って保存している施設である。 ここでは、陶芸教室も行われている。 古窯陶芸館 窖窯は、5世紀に朝鮮半島から伝わった。山の斜面にトンネルのように穴を掘って築かれる。穴の中は…

如法寺無量壽院

大多羅寄宮跡から芥子山の山裾を巡り東に行くと、如法寺無量壽院がある。地名で言えば、岡山市東区広谷になる。真言宗の寺院である。 寺伝によれば、奈良時代の神亀二年(725年)に、大倫和尚によって創建されたと言われている。 無量壽院への参道 仁王門 こ…

大多羅寄宮跡

西大寺からしばし西に行く。JR赤穂線の大多羅駅の北側に芥子山(けしごやま)が聳えている。 この山の尾根上にあるのが、大多羅寄宮(おおだらよせみや)跡である。 寛文六年(1666年)、岡山藩主池田光政は、領内の神社整理を行い、小社小祠を71の寄宮に統…

金陵山西大寺 後編

金陵山西大寺の守護神として牛玉所殿(ごおうしょでん)に祀られてきたのが、牛玉所大権現である。 牛玉所殿には、それだけではなく、金毘羅大権現も合祀されている。 実は牛玉所大権現に合祀されている金毘羅大権現は、明治初年まで、讃岐の金刀比羅宮に祀…

金陵山西大寺 中編

西大寺の境内は広大で、がらんとしている。 その中で、一際大きい建物が、文久三年(1863年)に建立された本堂である。本堂は、岡山市指定重要文化財になっている。 幅五間の本堂は、岡山県下有数の巨大さで、軒が極めて高い。 本堂 本堂は、西大寺会陽(え…

金陵山西大寺 前編

岡山市東区西大寺中にある高野山真言宗別格本山金陵山西大寺は、いわゆる「裸祭り」の俗称で知られる奇祭・西大寺会陽で有名である。 私も会陽のイメージでしか西大寺を捉えていなかったが、訪れて見ると、神仏習合が今に息づく、なかなか力強さを感じさせる…