2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

比金山如意寺 後編

文殊堂の北東に聳えるのが国指定重要文化財の三重塔である。 私が史跡巡りで訪れた、14番目の三重塔である。 如意寺三重塔 元和五年(1619年)に三重塔を修理した際、塔上部の相輪の部材から至徳二年(1385年)の刻銘が見つかった。そのため、この三重塔が室…

比金山如意寺 前編

今年8月5日の当ブログの記事「明石市立天文科学館 前編」で紹介したように、明治43年に、当時の明石郡の小学校教員たちが私費を投じて、子午線が通過する場所に子午線通過地識標を建てた。 一つは現在の明石市天文町に建てられたが、もう一つの識標は、現…

香雪美術館

弓弦羽神社の東隣にあるのが、香雪(こうせつ)美術館である。 明治12年に朝日新聞を創刊した村山龍平が大正時代までに収集した刀剣、仏画、墨蹟、茶道具などを収蔵している。 香雪美術館は、村山龍平のコレクションに、初代理事長村山長挙(ながたか)のコ…

弓弦羽神社

お盆に本家のお墓のある西宮に墓参りに行った。 その帰りに、神戸市東灘区の香雪美術館に立ち寄り、「茶の湯の茶碗展」を観た。 その際、香雪美術館のすぐ隣にある、弓弦羽(ゆづるは)神社も訪れた。 ここ最近、男子フィギュアスケートの羽生結弦選手が、社…

笠井山薬師院 龍之口八幡宮

金山寺のある金山は、標高499メートルである。金山は、南側の笠井山と連なっている。 金山寺から南に細い山道を走ると、天台宗の寺院、笠井山薬師院がある。 薬師院は、天平勝宝元年(749年)に報恩大師が備前四十八ヶ寺の根本道場金山寺を開いた時に、境外…

岡山市 金山寺 後編

本堂跡から見上げると、山腹に岡山県指定重要文化財である三重塔が聳える。私が史跡巡りで訪れた13番目の三重塔である。 三重塔 三重塔を目指して石段を上る。途中にあるのが、開山の祖師達を祀る開山堂である。 開山堂 ここには、金山寺を開いた報恩大師と…

岡山市 金山寺 中編

天正三年(1575年)に建てられた金山寺の本堂は、国指定重要文化財であったが、平成24年12月24日に発生した火災により焼失した。 この時に、秘仏だった御本尊千手観音像と岡山県指定重要文化財だった木造阿弥陀如来像も焼失してしまった。 火災の状況 ありし…

岡山市 金山寺 前編

岡山市北区金山寺に、報恩大師が創建した備前四十八ケ寺の一つ、金山寺がある。 金山寺は、天平勝宝元年(749年)に報恩大師が創建したという伝承があり、往古は、備前四十八ケ寺の根本道場として栄えた。 寺院は、元々は金山の頂上の、現在妙見宮が建つ場所…

南方前池遺跡 牟佐大塚古墳

赤磐市山陽郷土資料館から南に行き、赤磐市南方という集落に行く。 ここには、前池という溜池がある。昭和30年に、前池の改修工事をした際に、池の底から縄文土器と共に、縄文時代晩期の食糧貯蔵穴が見つかった。 通常であれば腐ってしまうトチやドングリな…

赤磐市山陽郷土資料館

岡山県赤磐市は、平成17年3月に、赤磐郡山陽町、同赤坂町、同熊山町、同吉井町が対等合併して出来た自治体である。 旧山陽町は、市の南側に位置し、岡山市のベッドタウンとなっている。赤磐市役所も旧山陽町にあり、赤磐市の中心街の位置づけとなっている。…

両宮山古墳

備前国分寺跡のすぐ東隣にあるのが、国指定史跡両宮山古墳である。 両宮山古墳 岡山県下第3位の大きさの古墳で、備前国では最大規模の古墳だ。墳丘は全長約206メートルである。 両宮山古墳空撮写真 両宮山古墳の完成時の図 両宮山古墳は、元々は二重の濠を…

備前国分寺跡

岡山県赤磐市穂崎にある朱千駄古墳のすぐ北側に、仁王堂池という溜池がある。 備前国分寺跡から南方約300メートルに位置する池である。 この溜池のあたりが、奈良時代に聖武天皇によって建立された備前国分尼寺の跡とされている。 仁王堂池 備前国分尼寺の説…

玉井丸山古墳 小山古墳 朱千駄古墳

岡山市東区瀬戸町観音寺にある環太平洋大学の敷地内に存在するのが、玉井丸山古墳である。 玉井丸山古墳は、5世紀前半に築造された前方後円墳である。 墳丘上に、大学の施設群が建っているため、墳丘はほとんど原型を留めていない。 遠くから眺めれば、かろ…

明石市立文化博物館

明石市の文化エリアでもある明石公園の東側に、明石市や周辺から発掘された考古資料等を展示する明石市立文化博物館がある。 明石市立文化博物館 明石市立文化博物館の常設展会場に入って、真っ先に目に飛び込んでくるのは、アカシゾウの骨格標本模型である…

明石市 本松寺 高家寺

以前、宮本武蔵が作った庭を持つ善楽寺円珠院を紹介したが、今回紹介する本松寺も、武蔵が作庭した庭を持つ。 本松寺は、明石市上ノ丸にある。人丸山の西側に建っている。 本松寺の石段 本松寺は、日蓮宗の寺院である。慶長元年(1596年)に、秀吉の家臣藤井…

人麿山月照寺、柿本神社 後編

歌聖と称される万葉歌人の第一人者・柿本人麻呂を祀る柿本神社。かつては人丸社とも呼ばれていた。 昨日も紹介したが、柿本神社は明治4年の神仏分離令により、月照寺から独立した神社となった。 柿本神社神門 柿本神社の神門前には、ちょっとした展望広場が…

人麿山月照寺、柿本神社 前編

明石市立天文科学館の東側の空き地には、寛永十年(1633年)に初代明石城主小笠原忠真の後を継いで、二代目城主となった松平康直を供養する五輪塔がある。 松平康直供養の五輪塔 この五輪塔が珍しいのは、通常は五輪塔の各石に梵字が彫られるところが、「地…

明石市立天文科学館 後編

天文科学館では、当日鉱物の展覧会を行っていた。地球外から飛来した隕石のレプリカも展示してあった。 隕石のレプリカ 元々地球という惑星は、宇宙空間を漂うこのような岩石が、お互いの引力に引かれて合体して出来上がったものである。 こんな岩石の塊が合…

明石市立天文科学館 前編

明石は時の街とも呼ばれている。日本標準時の基準となる東経135度の子午線がこの町を通っているからである。 この子午線上に太陽が南中した時、日本全国が正午となる。 東経135度の子午線が、日本標準時の基準となったのは、明治21年1月1日のことである。 …

稲爪神社 長壽院

明石市大蔵中町にある稲爪神社は、三嶋大明神を祀る神社である。 稲爪神社神門 神門内の武人像 日本の正史である「日本書紀」には記載がないが、推古天皇の時代、朝鮮半島から、全身を鉄で覆った鉄人8千人が日本に攻めて来たという伝承がある。 日本側は九…

浜光明寺と朝顔光明寺

明石市鍛治屋町にある遍照山光明寺は、浄土宗の寺院である。 近くにある真宗大谷派の月池山光明寺と区別するため、通称「浜光明寺」と呼ばれている。 浜光明寺の山門 浜光明寺の山門は、屋根の瓦が崩れ始めている。しかし、彫刻などはなかなか見事なので、修…

明石市 善楽寺

兵庫県明石市は、江戸時代に明石藩の城下町として発展した。 今日は明石城下の寺院の一つ、明石市大観町にある善楽寺を紹介する。 善楽寺 善楽寺は、孝徳天皇の御代の大化年間(645~649年)に、法道仙人が創建したと伝えられる、明石で最古の寺院である。現…

津山市 大隅神社

岡山県津山市上之町にある大隅神社は、宮川以東の津山城下の総鎮守である。 大隅神社 狛犬 大隅神社は、和銅年間(708~715年)よりも前から祀られていたとされている。 津山盆地の山林や原野を開拓し、美作の国造りの化身として崇められた「豊手」という異…