2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

加西市拾い歩き

兵庫県加西市繁昌町にある乎疑原(おぎはら)神社は、奈良時代の創建とされている。 平安時代の延喜式にも載っていて、加東郡、加西郡35ヶ村の総社として、例祭には朝廷から幣帛が供進されていた。 祭神は、元々は大国主命と少名彦命であったが、近くにある…

周遍寺密蔵院 清慶寺

北条鉄道網引駅のすぐ近くには、周遍寺密蔵院がある。ここは高野山真言宗の寺である。 周遍寺密蔵院 密蔵院の楼門の前の広場に、観音像を中心にして、古い墓石などが集められた一角があった。 墓石群 その墓石群に向かって右側の手前に、古い石棺仏がある。…

鶉野飛行場 北条鉄道網引駅

兵庫県加西市鶉野町にある鶉野飛行場跡は、かつての姫路海軍航空隊の基地の跡である。近くに川西航空機株式会社姫路製作所が併設されていた。 鶉野飛行場跡 かつてはここに、全長1200メートル、幅60メートルの滑走路があった。今は滑走路跡に砂利が敷かれて…

法華山一乗寺 後編 附古法華石仏

三重塔の前から石段の上を見上げると、大悲閣と呼ばれる本堂が見える。 本堂 本堂は、国指定重要文化財である。現在の本堂は、創建されてから四代目で、寛永五年(1628年)に、姫路藩主本多忠政によって建立された。 本多忠政は、姫路城西の丸を築いて、姫路…

法華山一乗寺 前編

兵庫県加西市坂本にある法華山一乗寺は、天台宗の寺院である。 西国三十三所観音霊場の第26番札所として知られる名刹である。 当ブログとしては、姫路城、閑谷学校に続いて、3度目の国宝建造物の訪問である。 法華山一乗寺 元亨二年(1322年)に書かれた「…

旧大國家住宅 大題目岩

岡山県和気郡和気町尺所に、国指定重要文化財の旧大國家住宅がある。隣は閑谷学校の伝統を継ぐ岡山県立和気閑谷高等学校である。 旧大國家住宅は、現在老朽化が進んでいることから、大規模改修工事中であった。 旧大國家住宅 大國家は、幕末までは大森姓を称…

安養寺 由加神社

岡山県和気郡和気町泉にある照光山安養寺は、天台宗の寺院である。 開基は、天平勝宝元年(749年)で、報恩大師が創建した備前四十八寺の一つである。天平勝宝元年は、和気清麻呂が16歳の年である。清麻呂がまだ奈良に出ていなければ、安養寺の創建を目にし…

和気清麻呂 後編

和気神社の随神門を潜り、拝殿に対面する。 随神門 和気神社(旧猿目神社)が現在地に移転したのは、天正十九年(1591年)のことであるらしい。それまでは、神社はここから数町下手に鎮座していた。 拝殿 拝殿は、瓦葺入母屋造りの清楚な印象を与える建物で…

和気清麻呂 前編

岡山県和気郡和気町は、奈良時代の功臣・和気清麻呂公ゆかりの町である。 和気清麻呂は、皇統護持に尽くした功臣として、戦前は日本人の誰もが知っている人物だった。 この清麻呂公と姉の和気広虫を祀る神社が、和気町藤野にある和気神社である。 和気神社 …

大瀧山福生寺

伊部の町から国道2号線を西に行き、JR香登駅手前を右折北上する。 備前市大内にある真言宗の寺院、大瀧山福生寺(ふくしょうじ)を訪れる。 福生寺は、寺伝によれば、天平勝宝六年(754年)、唐から渡来した鑑真和上によって創建され、奈良時代の備前の高僧…

備前陶器窯跡

備前焼ミュージアムの4階の窓から、伊部駅の南の方を見渡すと、山の山麓に草木が全く生えていない一角があり、その上に陶片と思しきものが大量に放置されている場所があった。 私は最初それを見て、失敗した陶器の捨て場なのかと思った。この見方は、半分当…

伊部

岡山県備前市の西の中心が、伊部(いんべ)である。JR伊部駅を中心にして、町が開けている。 中世、近世に備前焼の積出港として栄えたのが、浦伊部という湊町である。浦伊部にある浄光山妙圀寺は、日蓮宗の寺院である。 山門 妙圀寺は、元々は天台宗の寺院で…

藤原啓記念館

正宗文庫から海沿いの道に戻り、備前市街に向かって走ると、右手に藤原啓記念館を含むFAN美術館が見えてくる。 FAN美術館は、平成28年6月に藤原啓記念館を拡大発展させて、リニューアルオープンしたものである。備前焼の人間国宝、藤原啓の作品を展示する藤…

正宗文庫

備前市穂浪の町には、すぐそこまで海が迫っている。片島湾である。片島湾には、養殖用の牡蠣を垂下するための筏が多数浮かんでいる。 そんな片島湾を見下ろす場所に建つのが、正宗文庫である。 正宗文庫は、明治から昭和を生きた国文学者・正宗敦夫が集めた…

ビートルズ

最近諸事情で史跡巡りが出来ていない。今日も台風で出かけられなかった。 なので今日も史跡と関係のない記事を書く。私の私生活の柱の一つである音楽について書く。 音楽、と言っても、専ら聴くだけで、何かの楽器を演奏したり自分で歌ったりするわけではな…

時計について

ここのところ地味な史跡巡りの記事が続いたので、今日は趣向を変えてみる。 男性が好きな物と言えば、車、カメラ、そして時計が定番である。それに万年筆が加わるか。 私が使っている車、カメラについては既に書いたので、今日は時計について書きたい。と言…

多可町八千代区、加美区の寺院

引き続き、兵庫県多可郡多可町八千代区の寺院を訪れる。 楊柳寺の次に訪れたのは、八千代区中野間にある天台宗の寺院、極楽寺である。 極楽寺は、白雉二年(651年)に、法道仙人が開基したと伝えられる。 極楽寺仁王門 極楽寺は、元々は、ここから1キロメー…

柳山楊柳寺

笠形神社を参拝し終わって、「兵庫県の歴史散歩」下巻の西播磨地域の史跡を踏破することが出来た。ブログを始めて4カ月にしてようやくである。今からはしばらくの間、東播磨地域と備前地域の史跡を交互に訪れることになるだろう。 笠形山を下りて、車に乗り…

笠形山

兵庫県神崎郡市川町、同神河町、多可郡多可町の3つの町にまたがる形で聳え立つのが名峰笠形山である。標高は939メートルである。登山道が整備されて、登りやすい山であるため、登山を趣味とする人たちには人気の山である。 今日は、その笠形山にまつわる史…

日生町 後編

日生町の沖合には、鹿久居島、頭島、大多府島、曽島、鴻島といった島が浮かぶ。 今では、鹿久居島、頭島には、橋が架かり、陸伝いで渡ることが出来る。 鹿久居島は、岡山県内最大の島である。島の南側にある千軒湾沿いにある千軒遺跡は、縄文時代から中世ま…

日生町 前編

岡山県備前市日生町は、漁業や牡蠣の養殖で有名な港町である。 沖合には、鹿久居島、頭島、大多府島、曽島、鴻島といった離島が浮かぶ、山水明媚な町である。 日生町の歴史資料などを展示する、日生町日生の加子浦歴史文化館に行ってみた。 文芸館 歴史文化…

神河町

兵庫県神崎郡神河町は、平成17年に、神崎町と大河内町が合併して出来た町である。播磨北端の町であり、峠を北に越えれば、そこは但馬である。 今日は、この町の史跡を紹介する。 今の神河町の地域は、江戸時代を通じて、福本藩池田家が支配した。寛文三年(1…

福崎の寺 七種の滝

兵庫県神崎郡福崎町高岡にある應聖寺は、天台宗の寺院である。 境内には、大小約200本の沙羅の木が植えられ、沙羅の寺と呼ばれている。 應聖寺 沙羅の花が咲く6月には、さぞ美しい寺容を見せてくれることだろう。あいにく私が訪れたのは、曼殊沙華の季節だ…