2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

生野銀山 その3

生野銀山の坑道で現在公開されているのは、金香瀬坑道である。 金香瀬坑道入口と出口 写真左のトンネルの入口のようなものが金香瀬坑道の入口で、右側の橋の奥が坑道の出口である。 坑道出入り口の周囲は、岩壁を清冽な滝が流れ落ちており、心地好い空間であ…

生野銀山 その2

生野銀山の坑道入口手前に、鉱山資料館がある。 鉱山資料館 この資料館には、江戸時代の生野銀山での作業を再現した模型や、江戸時代、明治時代の鉱山関係の文書資料、鉱石、貨幣などが展示されている。 生野銀山からは、金、銀、銅、亜鉛、鉛、錫などが発掘…

生野銀山 その1

兵庫県朝来市生野町小野には、国指定史跡の生野銀山がある。 生野銀山 生野銀山は、大同二年(807年)に初めて発見されたと伝えられる。 元禄年間に成立した「銀山旧記」によれば、天文十一年(1542年)に、山名祐豊が生野銀山を開鉱し、古城山麓に生野城を…

生野の変

文久三年(1863年)10月11日、尊王攘夷派の元福岡藩士・平野国臣、長州藩士南八郎(本名河上弥市)らは、いわゆる七卿落ちで長州に落ち延びた公卿の澤宜嘉を総帥に迎え、倒幕のため但馬国生野の地で挙兵する。 翌12日、志士達は生野代官所を襲撃し、無血占拠…

口銀谷

私は、神戸市西区の太山寺を訪問して、播磨の史跡巡りを終えたが、これはまだ長い旅路の一歩に過ぎず、これから播磨に隣接する国々の旅が続く予定である。 播磨に隣接する国は、摂津、丹波、但馬、因幡、美作、備前、淡路の7カ国があるが、この内、備前、美…

護国山曹源寺 後編

曹源寺の裏山には、三重塔が聳えている。境内に入ると見えないが、遠く離れた所からなら、その存在を確認することが出来る。 裏山への登山道を暫く歩くと、三重塔が見えてくる。私が史跡巡りで訪れた、16番目の三重塔になる。 三重塔 三重塔の手前には、何故…

護国山曹源寺 中編

本堂前の石畳を東に進むと、僧侶達の生活空間である庫裏や方丈がある。 庫裏 私が曹源寺を訪れたのは、もうすぐ日暮れがやってくる時間帯だった。夕飯の支度中なのか、庫裏からは味噌汁の香りが漂って来た。 庫裏の前には、「浴室」と書いた木札が下がった建…

護国山曹源寺 前編

岡山市中区円山にある護国山曹源寺は、元禄十一年(1698年)に、岡山藩主池田綱政が、祖父信輝、父光政の菩提を弔うために建てた臨済宗妙心寺派の禅寺である。 寺院の裏手には、岡山藩第四代藩主綱政から第十二代章政までの歴代藩主やその近親者を葬った、国…

岡山市 大福寺 徳與寺

少林寺から南に歩き、岡山市御成町にある真言宗の寺院、聖満山法城院大福寺に行く。 大福寺 大福寺は、天平勝宝年中(749~757年)に報恩大師が開いた備前四十八ケ寺の一つで、当初は備前国和気郡伊部村にあったという。 寛永年中(1624~1644年)に、岡山藩…

岡山市 少林寺 法輪寺

世に言う赤穂事件と言えば、忠臣蔵で有名な元禄赤穂事件だが、赤穂藩の歴史上には、もう一つの赤穂事件がある。 正保二年(1645年)、初代姫路藩主だった池田輝政の六男で、赤穂藩主となっていた池田輝興が突如発狂して、正室や侍女を斬り殺してしまった。こ…

禅光寺安住院

操山は、尾根が東西に長く伸びた山だが、山裾に多数の寺院が建っている。 今日紹介するのは、そのうちの一つ、岡山市中区国富3丁目にある、瓶井(みかい)山禅光寺安住院である。 禅光寺は、天平勝宝年間(749~757年)に報恩大師が制定した備前四十八ケ寺…

明禅寺城跡

恩徳寺の裏手にある操山の尾根上にあるのが、明禅寺城跡である。 山の全貌は、北側の百間川の河川敷辺りから目にすることが出来る。 明禅寺城跡のある操山 明禅寺城跡に行こうと思えば、山の北側の墓地を抜けて登る道を行くか、恩徳寺の北側の畑を抜けたとこ…

沢田山恩徳寺 

操山公園里山センターから少し北に歩くと、沢田山恩徳寺がある。 地名で言えば、岡山市中区沢田になる。 ここは真言宗の寺院であり、報恩大師が定めた備前四十八ケ寺の一つである。 恩徳寺参道前の鳥居 鳥居の扁額 恩徳寺は、寺伝によると、天平勝宝二年(75…

操山古墳群 

百間川遺跡群のオブジェのある辺りから沢田橋を越えて百間川を渡り、南方に行くと、操山古墳群がある。 標高169メートルの操山周辺は、ハイキングコースが整備され、山中に古墳が点在している。操山古墳群と呼ばれている。 操山公園ハイキングコースの案内図…

浦間茶臼山古墳 百間川遺跡群

国道2号線と岡山バイパスの分岐点近くの岡山市東区浅川にあるのが、浦間茶臼山古墳である。 この古墳は、3世紀後半に築かれた前方後円墳である。3世紀半ばに築かれた奈良の箸墓古墳と同形で、大きさが丁度2分の1に縮小された古墳である。 岡山県下では…

神戸市西区 太山寺 後編

太山寺境内の東側にある羅漢堂と釈迦堂の位置関係は、丁度神社の拝殿と本殿の位置関係に似ている。羅漢堂の奥に釈迦堂がある。 羅漢堂 羅漢堂は、正面に華頭窓と大きな唐破風を持つ寺院建築である。建立は江戸時代後期と伝えられる。 内部には、四天王像、十…

神戸市西区 太山寺 中編

三重塔を観終わって、国宝の本堂に向かう。 本堂は、正面七間、奥行き六間の大きな建物で、鮮やかな薄緑色の銅板で屋根が葺かれている。かつては本瓦葺だったそうだが、昭和39年の解体修理工事で銅板葺きに葺き替えられたらしい。瓦葺の本堂も見てみたかった…

神戸市西区 太山寺 前編

今まで1年3カ月に渡り史跡巡りをしてきた。 私の史跡巡りの案内者は、山川出版社の歴史散歩シリーズで、このシリーズの本に載っている史跡は原則全て訪れるという方針で進めて来た。 また、地理的には、かつての日本の行政単位である「国」を基準にしてき…

龍崋山転法輪寺

神戸市垂水区名谷にある真言宗の寺院、龍崋山転法輪寺は、大同元年(806年)の創建とされている。 在原行平が、霊夢の中で、無量寿仏(阿弥陀如来)を明石郡垂水郷の釈迦転法輪の法窟に安置せよ、と告げられたことにより、寺が造られたという。 転法輪寺案内…

津山市 本源寺 安国寺

妙法寺から北東に歩き、津山市小田中の本源寺に至る。妙法寺は松平家の菩提寺だったが、本源寺は津山藩主森家の菩提寺である。 古びた山門が出迎えてくれる。 本源寺山門 瓦が崩れ出しそうな門である。 本源寺は、臨済宗の寺院である。足利尊氏が暦応二年(1…