2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

備中 吉備津神社 後編

吉備津えびす宮から回廊を南に歩くと、西面して鳥居が建ち、吉備の中山に向かって石段が伸びている場所に出る。 ここを登ると、岩山宮がある。 岩山宮鳥居 岩山宮への石段 岩山宮の祭神は、吉備国の地主神の建日方別命である。 岩山宮本殿 古びたいい本殿だ…

備中 吉備津神社 中編

吉備津神社の名物は、本殿だけではない。長い回廊も名物の一つである。 本殿南側から回廊は始まり、間に南随神門を挟んで、境内南端の本宮社まで回廊は続いている。 本殿南端から始まる回廊 南随神門 私が子供のころ、何のCMだったか忘れたが、吉備津神社の…

備中 吉備津神社 前編

福田海から吉備の中山沿いの道を西に約200メートル行くと、備中国一宮の吉備津神社がある。 備後国の一宮も吉備津神社なので、区別するため記事のタイトルに備中を付けた。 吉備津神社で特徴的なのは、JR吉備線の吉備津駅の東側の交差点から、吉備津神社の石…

福田海 後編

中堂の奥、役行者と理源大師聖宝の像の背後に、易塚がある。 易塚 儒教の聖典である五経は、「易経」「詩経」「書経」「春秋」「礼記」であるが、「易経」はその第一の聖典である。 易は、一般には占いの一種のように思われているが、陰陽八卦六十四爻(こう…

福田海 中編

福田海の本堂には、前身の青蓮寺の本尊であった十一面観世音像を祀っている。 先祖供養のためのお堂である。 本堂 本堂内部 本堂の奥には、複数の仏像と経塔多数が置いてある。 本堂内には、向かって左側に勝鬘(しょうまん)夫人像が置かれている。 この勝…

福田海 前編

7月15日に備中の史跡巡りを行った。 私は今まで、播磨、備前、美作、摂津、但馬、因幡、丹波、淡路の8か国の史跡巡りをしてきた。 播磨の史跡巡りは令和2年に、備前は今年終了した。備前の西隣の備中は、私が史跡巡りで訪れた9つ目の国になる。 また新し…

芦屋市立美術博物館 芦屋市立谷崎潤一郎記念館

兵庫県芦屋市伊勢町にある芦屋市立美術博物館は、芦屋ゆかりの美術家の作品や、芦屋市内の遺跡から発掘された遺物を収蔵展示する博物館である。 芦屋市立美術博物館 私が訪れた時は、ここで、「芦屋の美術、もうひとつの起点 伊藤継郎」という特別展が開催さ…

滴翠美術館 芦屋廃寺跡

会下山遺跡から下りて、芦屋市山芦屋町にある滴翠(てきすい)美術館を訪れた。 滴翠美術館 ここは、戦前に大阪財界で活躍した山口吉郎兵衛が収集した茶道具の銘品を収蔵展示する美術館である。 滴翠美術館 私は今まで2回ほど、お茶を習い、自宅で陶芸をし…

会下山遺跡

保久良神社の参拝を終えて、神戸市東灘区の史跡巡りが終わった。あとは有馬地域の史跡巡りが残っているが、それを終えれば当ブログの神戸市内の史跡巡りは終結し、次は阪神間地域の史跡巡りに移行する。 有馬の史跡巡りは、次々回の摂津の史跡巡りの機会に回…

保久良神社 

徳本寺から東に行き、神戸市東灘区本山北町6丁目にある鷺宮八幡神社を訪れた。 鷺宮八幡神社 鷺宮八幡神社の御祭神は、天照皇大神、八幡大神、春日大神である。 この神社は、保久良(ほくら)神社の御旅所である。御旅所とは、本宮の神輿が神幸して休憩する…

白鶴美術館 徳本寺

本住吉神社奥宮の参拝を終え、神戸市東灘区住吉山手6丁目にある白鶴美術館に向かった。 白鶴美術館 白鶴美術館は、美術への造詣が深かった白鶴酒造7代目嘉納治兵衛が、所蔵する美術コレクションを収蔵展示するために、昭和9年に開館した私設美術館である…

本住吉神社

倚松庵から北上し、神戸市東灘区住吉宮町7丁目に鎮座する本住吉神社を参拝した。 本住吉神社 本住吉神社は、表筒男(うわつつのお)命、中筒男(なかつつのお)命、底筒男(そこつつのお)命の三柱の神(住吉大神)と、神功皇后を祀る。 神功皇后の艦隊が、…

倚松庵 後編

倚松庵は2階建てである。1階廊下の中央に階段が付いている。 食堂から見える階段 階段 階段は、当時の日本家屋のものにしては、それほど急ではない。 2階には、東から順に8畳和室、6畳和室、4.5畳和室の3部屋がある。 階段を上がると2階の廊下があり…

倚松庵 中編

谷崎が昭和18年から昭和23年にかけて執筆し、昭和24年に全巻を出版した大作「細雪」は、谷崎が昭和11年から昭和18年まで住んだ倚松庵での生活を題材にしている。 「細雪」の主役は、大阪船場の商家蒔岡家出身の四人姉妹である。 婿養子を迎えて船場の蒔岡家…

倚松庵 前編

神戸市東灘区住吉東町1丁目にある谷崎潤一郎の旧居・倚松庵(いしょうあん)を訪れた。 倚松庵 倚松庵は、昭和4年に建てられた和風建築で、谷崎が昭和11年11月から昭和18年11月までの7年間にわたり住んだ家である。 元々は現在地から約150メートル南に建…

菊正宗酒造記念館

白鶴酒造資料館の見学を終え、そこから少し東の神戸市東灘区魚崎西町1丁目にある菊正宗酒造記念館を訪れた。 菊正宗酒造記念館 菊正宗は、灘五郷の一つ御影郷に属する清酒の銘柄である。 菊正宗酒造記念館の旧記念館は、万治二年(1659年)に本嘉納家本宅敷…

白鶴酒造資料館 後編

麹室で作られた麹は、蒸米と共に半切桶に入れて、水に吸着させる。 麹と蒸米が水によく吸着したころ、2人の作業員が山卸という棒櫂でかき混ぜる。麹、蒸米、水をすり潰して、糖化を早める作業である。酛摺りという作業である。 こうして酛(もと)又の名酒…

白鶴酒造資料館 前編

東求女塚古墳の見学を終え、南に下り、神戸市東灘区住吉南町4丁目にある白鶴酒造資料館を訪れた。 白鶴酒造資料館 白鶴酒造資料館は、寛保三年(1743年)に創業した白鶴酒造株式会社が、近代化以前の酒造りの工程を紹介、展示するために作った資料館である…