摂津

如意山金心寺

多聞寺から北に走り、兵庫県三田市の市街地に入る。 三田市天神にある真言宗の寺院、如意山金心寺(こんしんじ)に赴いた。 金心寺参道 金心寺は、新興住宅街の中の丘の上にある。 寺伝によると、金心寺は、天智天皇七年(668年)に、唐から帰朝した中臣鎌足…

豊歳神社 北野山多聞寺

11月26日に摂津の史跡巡りを行った。この日訪れたのは、神戸市北区と兵庫県三田市の史跡である。 まず最初に、神戸市北区大沢(おおぞう)町市原にある豊歳神社を訪れた。 豊歳神社 鳥居 豊歳神社は、農村の中にあるが、私が訪れた時は、地元の人たちが境内…

芦屋市立美術博物館 芦屋市立谷崎潤一郎記念館

兵庫県芦屋市伊勢町にある芦屋市立美術博物館は、芦屋ゆかりの美術家の作品や、芦屋市内の遺跡から発掘された遺物を収蔵展示する博物館である。 芦屋市立美術博物館 私が訪れた時は、ここで、「芦屋の美術、もうひとつの起点 伊藤継郎」という特別展が開催さ…

滴翠美術館 芦屋廃寺跡

会下山遺跡から下りて、芦屋市山芦屋町にある滴翠(てきすい)美術館を訪れた。 滴翠美術館 ここは、戦前に大阪財界で活躍した山口吉郎兵衛が収集した茶道具の銘品を収蔵展示する美術館である。 滴翠美術館 私は今まで2回ほど、お茶を習い、自宅で陶芸をし…

会下山遺跡

保久良神社の参拝を終えて、神戸市東灘区の史跡巡りが終わった。あとは有馬地域の史跡巡りが残っているが、それを終えれば当ブログの神戸市内の史跡巡りは終結し、次は阪神間地域の史跡巡りに移行する。 有馬の史跡巡りは、次々回の摂津の史跡巡りの機会に回…

保久良神社 

徳本寺から東に行き、神戸市東灘区本山北町6丁目にある鷺宮八幡神社を訪れた。 鷺宮八幡神社 鷺宮八幡神社の御祭神は、天照皇大神、八幡大神、春日大神である。 この神社は、保久良(ほくら)神社の御旅所である。御旅所とは、本宮の神輿が神幸して休憩する…

白鶴美術館 徳本寺

本住吉神社奥宮の参拝を終え、神戸市東灘区住吉山手6丁目にある白鶴美術館に向かった。 白鶴美術館 白鶴美術館は、美術への造詣が深かった白鶴酒造7代目嘉納治兵衛が、所蔵する美術コレクションを収蔵展示するために、昭和9年に開館した私設美術館である…

本住吉神社

倚松庵から北上し、神戸市東灘区住吉宮町7丁目に鎮座する本住吉神社を参拝した。 本住吉神社 本住吉神社は、表筒男(うわつつのお)命、中筒男(なかつつのお)命、底筒男(そこつつのお)命の三柱の神(住吉大神)と、神功皇后を祀る。 神功皇后の艦隊が、…

倚松庵 後編

倚松庵は2階建てである。1階廊下の中央に階段が付いている。 食堂から見える階段 階段 階段は、当時の日本家屋のものにしては、それほど急ではない。 2階には、東から順に8畳和室、6畳和室、4.5畳和室の3部屋がある。 階段を上がると2階の廊下があり…

倚松庵 中編

谷崎が昭和18年から昭和23年にかけて執筆し、昭和24年に全巻を出版した大作「細雪」は、谷崎が昭和11年から昭和18年まで住んだ倚松庵での生活を題材にしている。 「細雪」の主役は、大阪船場の商家蒔岡家出身の四人姉妹である。 婿養子を迎えて船場の蒔岡家…

倚松庵 前編

神戸市東灘区住吉東町1丁目にある谷崎潤一郎の旧居・倚松庵(いしょうあん)を訪れた。 倚松庵 倚松庵は、昭和4年に建てられた和風建築で、谷崎が昭和11年11月から昭和18年11月までの7年間にわたり住んだ家である。 元々は現在地から約150メートル南に建…

菊正宗酒造記念館

白鶴酒造資料館の見学を終え、そこから少し東の神戸市東灘区魚崎西町1丁目にある菊正宗酒造記念館を訪れた。 菊正宗酒造記念館 菊正宗は、灘五郷の一つ御影郷に属する清酒の銘柄である。 菊正宗酒造記念館の旧記念館は、万治二年(1659年)に本嘉納家本宅敷…

白鶴酒造資料館 後編

麹室で作られた麹は、蒸米と共に半切桶に入れて、水に吸着させる。 麹と蒸米が水によく吸着したころ、2人の作業員が山卸という棒櫂でかき混ぜる。麹、蒸米、水をすり潰して、糖化を早める作業である。酛摺りという作業である。 こうして酛(もと)又の名酒…

白鶴酒造資料館 前編

東求女塚古墳の見学を終え、南に下り、神戸市東灘区住吉南町4丁目にある白鶴酒造資料館を訪れた。 白鶴酒造資料館 白鶴酒造資料館は、寛保三年(1743年)に創業した白鶴酒造株式会社が、近代化以前の酒造りの工程を紹介、展示するために作った資料館である…

処女塚古墳 東求女塚古墳

6月25日に神戸市東灘区から芦屋市にかけての史跡巡りを行った。 最初に訪れたのは、神戸市東灘区御影塚町2丁目にある処女塚(おとめづか)古墳である。 処女塚古墳(左側が後円部) 今年3月20日の西求女塚(にしもとめづか)古墳の記事で紹介したように、…

摩耶山天上寺 後編

現在の摩耶山天上寺から南側には、車で行くことは出来なくなっている。遊歩道を歩いて南下すると、摩耶ロープウェイの星の駅がある。 星の駅から西に歩くと、石畳の道になる。 摩耶山史跡公園への降り口がある石畳の道 この石畳の道の南側にある燈籠から、焼…

摩耶山天上寺 中編

摩耶夫人堂の東側に建つ金輪堂には、一字金輪仏頂尊を祀っている。 金輪堂 一字金輪仏頂尊とは、覚りを開いた如来が、深い瞑想の中から唱えた真言「ボロン」の一字を神格化したものである。 金輪堂には、自由に入って尊像をお参りすることが出来る。正面の一…

摩耶山天上寺 前編

宝乗山善光寺の参拝を終え、表六甲ドライブウェイをスイフトスポーツで駆け上がり、六甲山上を目指した。 スイスポのVDCをOFFにしてこのワインディングロードを走ると、この車の旋回性能の高さを味わうことが出来た。 そして、神戸市灘区摩耶山町にある真言…

六甲八幡神社 善光寺

JR六甲駅のすぐ南側に広がるのが、六甲八幡(やはた)神社の杜である。地名で言うと、神戸市灘区八幡3丁目にある。 六甲八幡神社の鳥居 参道 社伝によれば、万寿三年(1026年)に水原氏がこの地に八幡神を祀ったという。 治承四年(1180年)、平清盛が福原…

旧ハンター住宅 河内国魂神社

沢の鶴資料館から北西に走り、神戸市灘区青谷町1丁目にある神戸市立王子動物園に向かった。 動物園内に、国指定重要文化財の洋館、旧ハンター住宅があるからである。 旧ハンター住宅 旧ハンター住宅を見学するには、王子動物園の入園料を支払って、動物園内…

沢の鶴資料館 後編

冷やされた蒸米は、麹菌の発育に適当な30~40°の室温を保った麹室(こうじむろ)にて種麹を振られ、麹蓋に盛られる。麹蓋には保温用の掛布をかけて、棚に置き、約40時間置いておく。こうして蒸米の中で麹菌が繁殖し、麹が出来る。 麹室 麹蓋 麹室は、室内の…

沢の鶴資料館 前編

兵庫県立美術館のあるHAT神戸から東進して、神戸市灘区大石南町1丁目にある沢の鶴資料館を訪れた。 沢の鶴資料館 沢の鶴資料館は、享保二年(1717年)に創業した酒造業者沢の鶴の、酒造に関する資料を展示する資料館である。 1950年代の沢の鶴の空撮写真 沢…

兵庫県立美術館

人と防災未来センターに隣接して兵庫県立美術館が建っている。 兵庫県立美術館 今の兵庫県立美術館の建物は、建築家安藤忠雄氏の設計で、平成13年に竣工し、平成14年に開館した。 安藤忠雄氏の建築らしい、コンクリート打ちっぱなしとガラス張りを多様した建…

人と防災未来センター

西求女塚古墳から西に戻り、神戸市中央区脇浜海岸通1丁目にある阪神・淡路大震災記念・人と防災未来センターを訪れた。 人と防災未来センター 人と防災未来センターは、平成7年1月17日午前5時46分に発生した阪神淡路大震災の経験と教訓を継承し、防災・…

西求女塚古墳

2月23日に摂津の史跡巡りを行った。 最初に訪れたのは、菟原娘子(うないおとめ)の伝説に登場する菟原壮士(うないおとこ)の墓と言われる西求女塚(にしもとめづか)古墳である。 西求女塚古墳のある公園 公園の入口 西求女塚古墳は、神戸市灘区都通3丁…

神戸市 泉隆寺 歓喜寺

竹中大工道具館を後にして、炎天下の中、北東に歩く。 神戸市中央区中尾町にある浄土真宗本願寺派の寺院、超音山泉隆寺を訪れた。 超音山泉隆寺 泉隆寺は、弘長二年(1262年)に真言宗の僧侶、西順によって開基された。 文明三年(1471年)、本願寺第8代蓮…

竹中大工道具館 その4

竹中大工道具館には、日本だけでなく、中国やヨーロッパの大工道具も展示してあった。 故宮博物院の太和殿の斗栱を復元したものが展示されていた。 故宮博物院太和殿 太和殿の斗栱の復元 この巨大な建造物が木造建造物だとは知らなかった。斗栱の下に更に横…

竹中大工道具館 その3

大工仕事は、建物の設計図通りに木材を加工して、組み立てていかなければならない。少しでも歪みがあると、建物はしっかり建たないだろう。 また、どれだけの用材が必要かを計算したうえで建設を開始するようだ。 昭和時代に薬師寺復興工事に従事した大工棟…

竹中大工道具館 その2

鎌倉時代から江戸時代初期には、木の葉型鋸が使用されるようになった。 木の葉型鋸 室町時代に入ると、大陸から大鋸(おが)が伝わった。大鋸で木材を切って製材することを挽割製材という。この工程で出る木くずを、おがくずと呼ぶようになった。 大鋸 大鋸…

竹中大工道具館 その1

徳光院の参拝を終えて、南に歩き、JR新神戸駅の南側に出る。 神戸市中央区熊内町7丁目にある竹中大工道具館を訪れた。 竹中大工道具館 竹中大工道具館の門 竹中大工道具館を運営しているのは、大手ゼネコンの竹中工務店である。 竹中工務店の元となる会社は…