古墳

浦間茶臼山古墳 百間川遺跡群

国道2号線と岡山バイパスの分岐点近くの岡山市東区浅川にあるのが、浦間茶臼山古墳である。 この古墳は、3世紀後半に築かれた前方後円墳である。3世紀半ばに築かれた奈良の箸墓古墳と同形で、大きさが丁度2分の1に縮小された古墳である。 岡山県下では…

五色塚古墳

舞子公園から東に進み、神戸市垂水区五色山にある五色塚古墳を訪れる。ここは国指定史跡となっている。 五色塚古墳 五色塚古墳は、全長約194メートルの前方後円墳で、兵庫県下最大の古墳である。全国の前方後円墳の中では、40位前後の大きさだ。 この古墳は…

大歳山遺跡公園

多聞寺から南下し、神戸市垂水区西舞子にある大歳山遺跡公園を訪れる。 大歳山遺跡公園 大歳山遺跡公園は、標高約30メートルの台地上にある。芝生が張られ、広々とした心地好い空間だ。 ここには、元々大歳山という山があった。山上に大歳神社が祀られていた…

南方前池遺跡 牟佐大塚古墳

赤磐市山陽郷土資料館から南に行き、赤磐市南方という集落に行く。 ここには、前池という溜池がある。昭和30年に、前池の改修工事をした際に、池の底から縄文土器と共に、縄文時代晩期の食糧貯蔵穴が見つかった。 通常であれば腐ってしまうトチやドングリな…

両宮山古墳

備前国分寺跡のすぐ東隣にあるのが、国指定史跡両宮山古墳である。 両宮山古墳 岡山県下第3位の大きさの古墳で、備前国では最大規模の古墳だ。墳丘は全長約206メートルである。 両宮山古墳空撮写真 両宮山古墳の完成時の図 両宮山古墳は、元々は二重の濠を…

玉井丸山古墳 小山古墳 朱千駄古墳

岡山市東区瀬戸町観音寺にある環太平洋大学の敷地内に存在するのが、玉井丸山古墳である。 玉井丸山古墳は、5世紀前半に築造された前方後円墳である。 墳丘上に、大学の施設群が建っているため、墳丘はほとんど原型を留めていない。 遠くから眺めれば、かろ…

美作の古墳 2

前回に引き続き、今回も津山市周辺の地味な古墳を紹介する。 津山市下高倉西にある堀内三郎右衛門の顕彰碑から南下して、津山市高野山西にある正仙塚古墳を訪れる。 正仙塚古墳への登り道 正仙塚古墳は、小高い丘の上にある。周りを藪に囲まれていて、墳形を…

美作の古墳

大和盆地の纏向地方に前方後円墳が出現し始めたのが、3世紀初頭である。少なくともこの時期までに、現在の皇室につながる王権が大和に誕生したと言われている。最近の歴史学会ではこれを大和王権と呼んでいる。 大和王権は、大和の大王を首長として、その下…

雄岡山 雌岡山

神戸市西区神出(かんで)町に、綺麗な円錐形の山が2つ並んで聳えている。2つの山が並ぶ姿を遠くから見ると、女性の乳房のように見える。 雄岡山(おっこさん)、雌岡山(めっこさん)である。 雄岡山 雌岡山 御覧のように、双方似たような形であるが、高…

岡ノ山古墳 住吉神社

JR加古川線日本へそ公園駅を降りると、そこには、日本へそ公園がある。地名で言うと、兵庫県西脇市上比延町である。 日本の標準子午線である東経135度と、日本の領土の南端北端の中間である北緯35度が交差するこの場所が、日本の臍であるとして、日本へそ公…

東山古墳群

兵庫県多可郡多可町中区東山にある兵庫県立多可高等学校の西側に、お饅頭のような円墳が15基復元されている。古代多可の豪族が眠っていた東山古墳群である。 東山古墳群 東山古墳群は、平成8~11年に発掘調査された。その結果、6世紀末~7世紀前半に築か…

月の輪古墳 楯之舎塾跡

周匝城跡から北東に行った岡山県久米郡美咲町飯岡(ゆうか)にある大平山は、標高約314メートルの山である。 この山の山頂に、5世紀前半に築造された月の輪古墳がある。 大平山 大平山山頂近くまでは、舗装路が続いている。月の輪古墳の手前まで、自動車で…

牛窓の古墳 疫神社

前島からフェリーに乗って牛窓に戻る。 本蓮寺の裏手にある天神山には、天神社があり、その裏に牛窓天神山古墳がある。 天神社 天神社は、天神様である菅原道真を祀っている。 道真が太宰府に左遷された時、途中牛窓に立ち寄って、この山の岩に腰かけて、は…

王塚古墳 吉田郷土館

神戸市西区王塚台3丁目にある王塚古墳を訪れた。 当ブログも、ついに神戸市内に足を踏み入れたが、実は神戸市西区、垂水区の全域と須磨区、北区の一部は、播磨の区域内にある。王塚古墳のある場所も、播州の一部である。 王塚古墳は、第29代欽明天皇の皇女…

別府鉄道 愛宕塚古墳

兵庫県加古川市別府町にある肥料メーカーの多木化学株式会社は、以前は多木製肥所という名称だった。 多木製肥所は、製造した化学肥料を全国に出荷するため、別府鉄道という鉄道を運用していた。 播磨町郷土資料館には、別府鉄道に関する資料も展示してある…

花光寺山古墳、丸山古墳

備前福岡から東に行った岡山県瀬戸内市長船町服部に、花光寺山(けこうじやま)古墳がある。 墳長約86メートルの前方後円墳である。 花光寺山古墳登り口 4世紀後半の築造と推定されている。昭和11年の発掘調査で、長持形石棺を始め、三角縁三神三獣鏡、素環…

築山古墳 備前福岡

竹久夢二生家から北東に走る。 岡山県瀬戸内市長船町西須恵にある築山古墳を訪れる。 築山古墳 築山古墳は、全長約82メートルの前方後円墳である。5世紀後半から6世紀前半にかけての古墳とされている。写真右側が後円部となる。 明治40年(1907年)に後円…

寒風古窯跡群

岡山県の旧邑久郡には、約130基の須恵器の古窯跡群がある。邑久古窯跡群という。6~12世紀の窯跡の遺跡である。当時の須恵器の生産地が北上し、伊部の地で備前焼に発展した。 岡山県瀬戸内市牛窓町長浜には、邑久古窯跡群を代表する窯跡である国指定史跡・…

好古館 小野市伝統産業会館

兵庫県小野市西本町にある好古館は、小野市の遺跡から発掘された出土品や、歴史資料を展示する歴史博物館である。 昭和11年に建てられた小野小学校の講堂を移築して、平成2年に開館した。 好古館の隣には、小野小学校があるが、学校の前に一柳家陣屋遺跡の…

奈義町の史跡

菩提寺から山岳路をしばらく西に走ると、大別当城跡に登る道が見えてくる。 登り口から北を望むと、彼方に那岐山が聳えている。 那岐山 那岐山は、標高1255メートルである。あの山の向こうは鳥取県だ。 奈義山脈中には、他にも複数の山城があるが、いずれも…

植月寺山古墳 梶並神社

JR勝間田駅から北東方面に行った岡山県勝田郡勝央町植月東にあるのが、植月寺山古墳である。 古墳は、観音寺という寺院の裏にある。方墳が連なる前方後方墳という珍しい形式の古墳である。 植月寺山古墳の墳丘図 私が史跡巡りで初めて訪れた前方後方墳である…

天坊山古墳 日岡神社 日岡古墳群

兵庫県加古川市は古墳が多い場所である。今日も古墳の紹介になる。 加古川市上荘町小野にある天坊山の山上には、4世紀後半に築かれた円墳がある。これが天坊山古墳である。 天坊山は、標高163メートルの低山である。登山口も分かりにくい。山の南側の長池に…

西条古墳群

兵庫県加古川市西条山手にある西条古墳群と西条廃寺は、お互い隣接している。 西条古墳群には、元々弥生時代後期から古墳時代にかけての古墳が60数基あった。大規模な宅地造成によって、弥生時代の墳丘墓を含む多くの古墳は消滅してしまった。 大化二年(646…

報恩寺 長慶寺山古墳群

兵庫県加古川市平荘町山角にある印南山報恩寺は、真言宗の寺院である。 元明天皇の和銅六年(713年)、証賢上人の開基と伝えられる。 報恩寺山門 寺内には、数多くの石造遺品が残されている。寺勢が隆盛を誇っていた鎌倉時代から室町時代にかけてのものが多…

平荘湖古墳群

湖に沈んだ古墳。詩的な空想をかき立てさせられる言葉だ。 兵庫県加古川市平荘町池尻にある平荘湖は、昭和41年に、東播磨地域の工業地帯に工業用水を安定供給するために建設されたダムによって出来た人造湖である。 平荘湖が出来る前は、一帯には100基を超え…

山伏峠石仏 玉丘古墳群

兵庫県加西市玉野町にある山伏峠には、兵庫県指定文化財の2基の石棺仏がある。 山伏峠石棺仏 道側の1基は、高さ2.25メートル、幅1.24メートル、厚さ0.4メートルの大きな家型石棺に、蓮華座上の阿弥陀坐像を彫刻している。 奥にあるもう1基は、高さ2.1メー…

姫路市御国野町

今日は、姫路市の東部にある御国野(みくにの)町の史跡を紹介する。 御国野町国分寺に、播磨国分寺跡がある。天平十三年(741年)、聖武天皇の詔により、全国に国分寺と国分尼寺が建てられた。 奈良時代の行政区分は、国である。播磨国には、播磨国分寺と国…

見野古墳群、宮山古墳

最近、姫路のジュンク堂書店に行き、エレベーターを上がって正面の郷土史のコーナーを眺めると、河合寸翁という人に関する本が目に付くようになった。 河合寸翁は、姫路藩酒井家の家老である。姫路藩領内の産業を振興し、藩の財政を立て直した人物である。今…

三日月

かつて兵庫県佐用郡三日月町という自治体があったが、平成17年に、佐用郡佐用町に合併された。 旧三日月町周辺は、江戸時代には三日月藩という藩が領域支配していた。 三日月藩乃井野陣屋跡 元禄十年(1697年)、幕府は、津山藩森家の改易に伴い、分家の森長…

有年 後編

有年原・田中遺跡公園から北を見ると、蟻無山という小高い丘がある。この山の上に、蟻無山古墳がある。築造は5世紀前半。第16代仁徳天皇の時代か。 蟻無山 70メートルほどの高さの丘なので、登山と言うほどのこともない。頂上には、県史跡の蟻無山1号墳が…