更に歩いていくと、濯錦汀(たくきんてい)がある。
清らかで美しく、水が波立たない穏やかな水際という意味の名だ。
次に見えてくるのは、千幻瀑(せんげんばく)である。階段状になった岩を流れ落ちる水が、何段もの滝を成している。
千幻瀑の手前に平らな岩がある。瑠璃渓十二勝の一つ会仙巌(かいせんがん)である。
この岩の上で仙人たちが、千幻瀑の手前の淵に盃を流して曲水の宴を行ったという伝説から、この名が付いた。
更に進むと、2つの川が合流する地点に来る。ここまで来ると、瑠璃渓の終点は近い。
更に先に進むと、ダムが見えてくる。通天湖の水を堰き止めるダムである。
通天湖も瑠璃渓十二勝の一つである。ここが瑠璃渓の終点である。
静かな水面である。釣り客が多数訪れていた。
それ以外にも、広大な芝生の公園があって、夜間にはイルミネーションで飾られる広場や、グランピング施設、キャンプ場、るり渓温泉などの各施設がある。
乗馬体験が出来たり、遊具のある芝生の広場は、家族連れで賑わっていた。
るり渓温泉の建物の裏山は、瑠璃渓十二勝の一つ、掃雲峰という山と言われている。
雲に聳える高い峰という意味で、今は樹木に覆われて見えないが、山の頂上に、天狗の鼻のように斜め上方に突き出た岩があるという。
そのような岩が突き出た山を見つけることは出来なかった。
るり渓温泉の建物内のレストランで、私は昼食を摂った。建物を出ると、激しい雨が降り始めた。
生憎傘を持っていなかった。私は雨に打たれながら、スイフトスポーツを駐車している場所に向かって、行きの逆コースを歩いて、再び瑠璃渓を探勝したのであった。