瑠璃渓 その3

 瑠璃渓の遊歩道を更に歩いていく。

 次に見えてくるのは、暢申澗(ちょうしんかん)である。

暢申澗

 のびやかなせせらぎという意味だそうだ。小滝が静かに流れている。

 次に見えてくるのは、弾琴泉(だんきんせん)である。広いせせらぎの至る所に突き出た岩が、数々の小さな滝を作り、さながら琴を弾いているように見えるからこの名がある。

弾琴泉

 次に見えてくるのは、玉裳灘(ぎょくしょうたん)である。

玉裳灘

 写真に見える右岸の浅瀬を指す。浅瀬の辺りが、光の反射で裳のようにも見える。

 次は、瑠璃渓十二勝の水晶簾(すいしょうれん)である。

 水晶簾は、小さな滝である。滝の落ちる様子が、まるで水晶の簾がかかっているように見えるから、この名がついたらしい。

水晶簾

 涼しい音を鳴らしながら滝が落ちている。シャッター速度を上げて撮影すると、滾り落ちる水が水晶玉のように見えてくる。

 更に進むと、宝亀巌と天鼓湍がある。

 宝亀巌は、亀の形をした大岩のことである。

宝亀

 天鼓湍は、宝亀巌のすぐ上流にある滝である。

天鼓湍

 鼓を打つかのように、静かな空間に水音が響いている。

 天鼓湍のすぐ上には、浣紗瀬(かんさせ)がある。

浣紗瀬

 浣紗瀬は、平らで大きな岩が段々に並ぶ浅瀬である。

 その上を水が流れ、段差毎に小さな滝を作っている様子が、薄絹を水で洗い濯いでいるように見えるからこの名がある。

 浣紗瀬を過ぎると、碁顛石(ごてんせき)がある。

碁顛石

 碁盤のように、面白いほど四角な石である。

 次に見えてくるのは、爛柯石(らんかせき)である。

爛柯石

 石の周囲を桜の木の根が這っている。これが木の根で作られた手すりのように見えるので、この名がある。

 瑠璃渓を歩くと、自然が形成した千変万化の景色を楽しむことが出来る。瑠璃渓は、数百万年以上の時間をかけて形成された。

 天長くして地久し。天地の悠久に比べれば、人の営みは小さなものである。