通天湖に向かって遊歩道を歩いていく。
次に見えてくるのは、龍軻澗(りゅうかかん)である。
小さな滝が、その下に深い淵を作っている。軻は歌の替え字である。龍が歌を歌うほど深い淵という意味だそうだ。
上流に進むと、瑠璃渓十二勝の一つ、渇虯澗(かっきゅうかん)がある。
渇虯澗は、龍の水飲み場という意味だそうだ。ここにはオオサンショウウオが棲んでいるという伝説がある。
そう言えば、なだらかな白い滝が龍のようにも見える。龍が淵に口をつけて水を飲んでいるように見えるではないか。
更に上流に歩くと、小さな橋が見えてくる。橋は、2つの小滝の手前に架かっている。
瑠璃渓十二勝の一つ、双龍淵にかかる橋である。
双龍淵は、雌雄の龍が水中に泳ぐ淵という意味である。橋から眺められる二條の小滝が雌雄の龍である。
この双龍淵は、別名「なたふち」と呼ばれている。ここに棲む白い鰻が、ナタを飲み込んだという伝説から付けられた名である。
更に進むと沈虎潭がある。
虎のような大岩のある淵という意味だそうだが、私には、どれが虎のような岩なのか分からなかった。
次に見えてくるのは、瑠璃渓十二勝の一つ、玉走盤だ。
岩の上を流れる水が、玉を転がしたように美しいからこの名が付いたという。
その先には高臥石がある。寝床のように平らな石という意味である。
写真手前の平らな岩床か、写真中央奥の上が平らな岩のどちらが高臥石か分からなかった。
新緑の季節や紅葉の季節にここを訪れたら、さぞ美しかろうと思われる。