武庫山神呪寺 中編

 本堂の西隣には、神呪寺鎮守の弁財天が祀られている。甲山の水の神様である。

弁財天

弁財天の安置されている宮殿

 弁財天の安置されている宮殿の前には、地元の西宮で醸造されたと思われるお酒が沢山奉納されている。

 神様は、お酒がお好きなのであろうか。

 弁財天の前には、神呪寺八十八所の八十八番目の石仏がある。

神呪寺八十八所の石仏

 神呪寺八十八所の参拝も、この石仏にお参りすれば満願である。

 弁財天の西隣には、甲山大師と呼ばれる木造弘法大師坐像を祀った大師堂がある。

 大師堂の前には、鉄製の巨大な錫杖がある。

巨大な錫杖

 錫杖には、「南無大師遍照金剛」という御宝号が刻まれている。

大師堂

大師堂向拝蟇股の彫刻

 大師堂の向拝蟇股の彫刻には、三鈷の松が刻まれている。高野山にあったと言われる松である。

 大師堂に祀られる木造弘法大師坐像は、鎌倉時代の作で、檜の一木造りである。

大師堂内部

 国指定重要文化財である。

 本堂の東隣には、木造不動明王坐像を祀る不動堂がある。

不動堂

不動堂内部

 不動堂に安置されている木造不動明王坐像も鎌倉時代の作で、檜の一木造りであり、国指定重要文化財である。

 不動堂の東隣にある観音堂には、11世紀の作と言われる木造聖観音立像がある。これも檜の一木造りで、国指定重要文化財である。

観音堂

 観音堂の木造聖観音立像のみが、唯一公開されていた。威厳に満ちた美しい仏像であったが、写真撮影は禁じられていた。

 神呪寺には、如意輪観音坐像、弘法大師坐像、不動明王坐像、聖観音立像という四躯の国指定重要文化財の仏像があるわけだ。

神呪寺の伽藍

 神呪寺は、昭和37年に、真言宗別格本山になった。

 別格本山昇格法要に高松宮宜仁親王が臨席し、親王染筆の「天下和順」の文字が陽刻された梵鐘が掛けられた。

鐘楼

天下和順と刻まれた梵鐘

 神呪寺は、甲山中腹にある寺院である。ここからは、西宮市街から大阪まで続く市街地を見下ろすことが出来る。

 如意尼の化身とも言える如意輪観音坐像を始めとする仏像群は、今日も関西の人々を見守っている。