津山市 萬福寺 清瀧寺

岡山県津山市高野本郷にある日蓮宗の寺院・玄好山萬福寺を訪問する。 萬福寺 萬福寺本堂 この寺には、元禄十一年(1698年)に発生した惣百姓一揆である高倉騒動の中心人物・堀内三郎右衛門の墓がある。 美作国は、津山藩森家の所領であったが、農民は津山藩…

日本原

岡山県勝田郡奈義町、同郡勝央町、津山市にまたがるように広がる台地を日本原という。 岡山県と鳥取県の県境に聳える那岐山の南側に広がる台地である。 日本原 正徳年間(1711~1716年)に、日本全国廻国巡礼を終えた福田五兵衛という人物が、広戸野と呼ばれ…

加東市 ところどころ

播州清水寺の参拝を終え、山下に降りて、県道を南西に進むと、加東市上鴨川に至る。 ここにあるのが、上鴨川住吉神社である。 この神社の入り口には鳥居がない。自然の樹木の間に注連縄をかけ、そこに紙垂の代わりに羊歯を下げている。 神社入り口 このよう…

瀬戸内市 妙興寺 仲﨑邸

備前福岡の町中にあるのが、日蓮宗の寺院、教意山妙興寺である。 妙興寺山門 寺伝によれば、赤松則興の追善供養のため、応永十年(1403年)に大教阿闍梨日伝上人により建立されたという。 赤松則興なる人物は、調べてもよくわからない。赤松家の家系図にも出…

虫明 長島

岡山県瀬戸内市邑久町虫明は、古くから風待ちの港として栄え、江戸時代には岡山藩池田家の筆頭家老伊木氏が陣屋を設け、沿岸警備に当たった。 JA裳掛支所の北側にある工場の辺りが、茶屋と呼ばれた伊木氏の陣屋があった場所である。 工場の中に、「伊木氏茶…

三星城跡 吉田の油地蔵

林野の町から国道179号線を北上すると、左手に三星山が見えてくる。この山の麓にあるのが三星城跡である。 美作中央病院の裏に三星山の登り口がある。 三星山登り口 登山口には、明見三星稲荷の鳥居がある。この先で道が左右に分かれる。左に行けば、明見三…

瀬戸町

現在岡山市東区瀬戸町と呼ばれている区域は、平成19年1月22日の岡山市への合併前は、赤磐郡瀬戸町という自治体であった。 岡山市は、平成に広域合併を重ね、政令指定都市となった。中国地方では、広島市に次ぐ政令指定都市である。 今日は、この瀬戸町の史…

天神山城跡 後編

天神山城南の段から太鼓丸方向に歩く。南の段のすぐ下に、「堀切り」と呼ばれる空堀の跡がある。山城には空堀を掘って防御設備とした。 堀切り 参考までに、前期天神山城である太鼓丸城の鳥瞰図を掲げる。 太鼓丸城鳥瞰図 堀切りを過ぎると、すぐに亀の甲と…

教信寺 古大内遺跡

古代には、日本各地に駅(うまや)という馬を常備した拠点があった。 当時の最速の連絡手段は馬であった。都から地方に何かを連絡するときは、使者は駅にある馬を乗り継いで連絡先へ向かった。 駅には、宿泊施設があって、外国の公使が宿泊したり、旅人が宿…

土居宿

今回、播磨、備前に次いで美作に足を踏み入れた。史跡巡りを始めてから訪れた3つ目の国である。 畿内と出雲との間を結ぶ出雲街道の土居宿は、幕府の命により、慶長年間に津山藩主森忠政によって整備された。 土居宿は、播磨から美作に入って最初の宿場町で…

生石神社 覚正寺

兵庫県高砂市阿弥陀町生石にある生石(おうしこ)神社には、九州霧島高千穂峰の天之逆鉾、奥州塩釜神社の塩釜と並ぶ「日本三奇」の一つ、「石の宝殿」がある。 生石神社鳥居 大穴牟遅(おおなむち)命と少毘古名(すくなひこな)命の二柱の神が、国土経営の…

宝瓶山十輪寺

兵庫県高砂市高砂町は、古い町並みが続くレトロな界隈である。 そんな町並みの中にあるのが、高砂町横町の宝瓶山(ほうびょうさん)十輪寺である。 空海が遣唐使として唐に向けて航海中、海上安全を地蔵菩薩に祈願したところ、高砂沖で霊感を受けて無事に所…

和気清麻呂続編 伝足利義政供養塔・日野富子墓

「岡山県の歴史散歩」によれば、和気町田原井堰資料館の南東の山の斜面に、9世紀のたたら製鉄炉跡である、石生(いわぶ)天皇遺跡があるとのことだったが、案内標識もなく、発見することが出来なかった。 石生天皇遺跡のある山 遺跡のあるという山を撮影す…

周遍寺密蔵院 清慶寺

北条鉄道網引駅のすぐ近くには、周遍寺密蔵院がある。ここは高野山真言宗の寺である。 周遍寺密蔵院 密蔵院の楼門の前の広場に、観音像を中心にして、古い墓石などが集められた一角があった。 墓石群 その墓石群に向かって右側の手前に、古い石棺仏がある。…

池田家和意谷墓所、津田永忠墓

岡山県和気郡和気町吉田の集落を抜けると、国指定史跡である津田永忠墓がある。 津田永忠は、岡山藩主初代池田光政と2代目綱政に仕えた名臣である。 津田永忠夫妻の墓 永忠は、寛永十七年(1640年)に岡山に生まれた。14歳で藩主光政の側児小姓となる。宝永…

福崎 後編

柳田國男生家から北東に行くと、播磨天台六山の一山、妙徳山神積寺がある。 神積寺は、正暦二年(991年)、慶芳上人により開基された。 仁王門 神積寺は、一条天皇、三条天皇の帰依を受けたと伝えられる。七堂伽藍と52ケ寺を有する大寺院だったが、延慶二年…

姫路市御国野町

今日は、姫路市の東部にある御国野(みくにの)町の史跡を紹介する。 御国野町国分寺に、播磨国分寺跡がある。天平十三年(741年)、聖武天皇の詔により、全国に国分寺と国分尼寺が建てられた。 奈良時代の行政区分は、国である。播磨国には、播磨国分寺と国…

夢前町ところどころ

姫路市夢前(ゆめさき)町は、かつては飾磨郡夢前町という独立した自治体であった。平成18年3月に姫路市に合併され、消滅した。今日は夢前町の地味な史跡を紹介する。 夢前町は、南北に細長い。姫路市夢前町莇野(あぞうの)に、菅生ダムというダムがある。…

随願寺

廣峯神社のある広峰山の東隣には、増位山が聳える。 増位山の中腹にあるのが、播磨天台六山の一つ、増位山随願寺である。 随願寺近くの駐車場まで、増位山の麓からドライブウェイが開通している。 随願寺案内図 案内図にあるように、ヘアピンカーブが連続す…

姫路ところどころ

姫路城の北東側には、姫路市立美術館がある。 かつて、姫路城が陸軍第10師団の駐屯地だった時に、兵器庫・被服倉庫として使われていた赤レンガの建物が、今は美術館として利用されている。 姫路市立美術館 この建物は、明治38年に建設され、大正2年に増築さ…

坂越

坂越(さこし)は、兵庫県赤穂市東部に位置する港町である。古くから良港として知られ、町の中心を通る大道沿いには、白壁と焼板の町家が並ぶ。 坂越の町並み 海に面する町中を歩くと、大避(おおさけ)神社に辿り着く。 大避神社は、大避大神を祭神とする。…

越部の里

今日も又地味な史跡を取り上げるが、ここは私の琴線に触れる場所なので、記事が長くなるかもしれない。 今回取り上げるのは、歴史的には越部(こしべ)と呼ばれている地域である。兵庫県たつの市新宮町のうち、JR姫新線播磨新宮駅の南側の農村地帯を指す。 …

室津 後編

室津のシンボルとも言うべき賀茂神社に行く。海に突き出た岡の上に社殿がある。 賀茂神社の創建は、この地が平安時代に、京都の賀茂別雷神社(上賀茂神社)の直系御厨になった時と伝えられる。御厨とは、神饌を調進するための領地のことである。つまりここは…