庭園

護国山曹源寺 中編

本堂前の石畳を東に進むと、僧侶達の生活空間である庫裏や方丈がある。 庫裏 私が曹源寺を訪れたのは、もうすぐ日暮れがやってくる時間帯だった。夕飯の支度中なのか、庫裏からは味噌汁の香りが漂って来た。 庫裏の前には、「浴室」と書いた木札が下がった建…

岡山市 少林寺 法輪寺

世に言う赤穂事件と言えば、忠臣蔵で有名な元禄赤穂事件だが、赤穂藩の歴史上には、もう一つの赤穂事件がある。 正保二年(1645年)、初代姫路藩主だった池田輝政の六男で、赤穂藩主となっていた池田輝興が突如発狂して、正室や侍女を斬り殺してしまった。こ…

津山市 本源寺 安国寺

妙法寺から北東に歩き、津山市小田中の本源寺に至る。妙法寺は松平家の菩提寺だったが、本源寺は津山藩主森家の菩提寺である。 古びた山門が出迎えてくれる。 本源寺山門 瓦が崩れ出しそうな門である。 本源寺は、臨済宗の寺院である。足利尊氏が暦応二年(1…

明石城 前編

人口約30万人の明石市の象徴となる建物が明石城である。天守はないものの、国指定重要文化財の三重櫓2棟を有する近世の本格的城郭建築の遺構である。 別名喜春(きしゅん)城と呼ばれる。 かつて訪問した明石市立文化博物館には、明石城の模型が展示してあ…

明石市 善楽寺

兵庫県明石市は、江戸時代に明石藩の城下町として発展した。 今日は明石城下の寺院の一つ、明石市大観町にある善楽寺を紹介する。 善楽寺 善楽寺は、孝徳天皇の御代の大化年間(645~649年)に、法道仙人が創建したと伝えられる、明石で最古の寺院である。現…

奈義町の史跡

菩提寺から山岳路をしばらく西に走ると、大別当城跡に登る道が見えてくる。 登り口から北を望むと、彼方に那岐山が聳えている。 那岐山 那岐山は、標高1255メートルである。あの山の向こうは鳥取県だ。 奈義山脈中には、他にも複数の山城があるが、いずれも…

林野

長福寺を出て、国道374号を使って吉野川沿いを北上する。 しばらく車で走ると、美作市安蘇にある、安蘇宝篋印塔に至る。 安蘇宝篋印塔 安蘇宝篋印塔には、正中二年(1325年)性忍敬白という銘文がある。 鎌倉時代後期は、石造美術の最盛期である。この時代に…

姫路城 その6 附好古園

長かった姫路城シリーズも今日で終わりである。 姫路城大手門を出て、内曲輪の周囲を歩くことにする。 姫路城の内曲輪は、水が満々と湛えられた濠に囲まれている。 姫路城の濠 こうして見ると、B29のレーダーが濠の水を捉えた反応を見て、操縦手がこの辺を沼…

赤穂城

赤穂城が現代の形となったのは、正保2年(1645年)、常陸笠間から浅野長直が入封してからである。赤穂城は、慶安元年(1648年)から寛文元年(1661年)まで、完成に13年の歳月が費やされた。甲州流軍学者近藤正純が設計した海岸平城である。 江戸時代の城と…

赤穂大石神社

赤穂城の三の丸には、かつて大石内蔵助の邸宅があった。江戸時代には、幕府の公法を犯した赤穂義士を表立って顕彰することは出来なかった。地元の人たちは、大石邸跡にひっそりと小詞を建てて義士を祀っていた。 明治元年に明治天皇が東遷された際に、赤穂義…

聚遠亭 附龍野神社

山川出版社の「歴史散歩シリーズ」をガイドに、史跡巡りを始めてはみたものの、「歴史散歩シリーズ」にはあまりにも多くの史跡が載せられていて、それを全て巡るのは至難の業だ。 しかし、一度凝り始めると、徹底してやってしまう性格なので、しばらくは、載…