鬼の岩屋

 千丈ヶ嶽から福知山市大江町仏性寺方面に下りて、府道9号線を北上する。

 京都府宮津市に入りしばらく進むと、左に入る細い道がある。その道は、車1台がようやく通るかという狭い道である。

 この道は、山上の大江山航空管制塔まで続いている。

航空管制塔

 航空管制塔は、標高約740メートルの山上にあるが、どの地図を見てもこの山の名称は書いていない。

 千丈ヶ嶽の北に鳩ヶ峰、その北東に鍋塚があり、鍋塚の北東にこの山がある。

 この山の山頂から南西側に、鬼の岩屋という鬼退治伝説に関連する史跡がある。そこを目指した。

 航空管制塔の東側から山に入る道が始まっている。

登山口

 航空管制塔周辺は、視界を遮る木立も少なく、空が近いと感じる。

登山道

 しばらく進むと、芝生が広がる広場があった。ハングライダー広場である。

 ハングライダー発進用の踏み台がある。

ハングライダー広場

 

ハングライダーの踏み台

 ここからの眺めが非常にいい。

 西側には、京都府与謝郡与謝野町の加悦谷と呼ばれる盆地が一望できる。

加悦谷

 北側には、宮津湾が見える。天橋立は、丁度山の陰になっていて見えない。

宮津

 晴れた日にここからハングライダーで空に飛んだらさぞ楽しかろう。

 さて、ハングライダー広場から更に南西に進む。

鬼の岩屋への道

 しばらく行くと、鬼の岩屋に至った。大きな岩の間に、洞窟の入口がある。

鬼の岩屋

 大人1人がようやく入れるくらいの入口である。

鬼の岩屋入口

 鬼の岩屋の近くにある説明板に、鬼の岩屋の断面図が載せてあった。

鬼の岩屋断面図

 それによると、狭い入口の先には、千畳敷という広い空間があり、その先には深い縦穴があるようだ。

 入ると脱出不能になるのは目に見えているので、入口の見学だけで終えた。

 説明板には鬼の岩屋についての説明文が無かった。

 人々が、かつてここに鬼が棲んでいたと想像した場所なのだろう。

 鬼の岩屋の北側には展望台がある。

展望台

加悦谷展望図

 この展望台からも、加悦谷を一望できる。

加悦谷

 加悦谷の奥は、低山が連なる台地のようになっているが、台地上に京丹後市の市街が見える。

京丹後市の市街

 いずれ京丹後市も訪問することになるだろう。

 航空管制塔に戻り、スイフトスポーツに乗って下山しようとすると、南東の丹波方面に続く山々の姿が、「古事記」に載る倭建命が歌った望郷歌の「たたなづく青垣」そのままであった。私は車から降りて写真を撮った。

丹波方面の山々

 そして山上の空気を一杯吸ってから、再び車に乗った。