大福光寺の参拝を終え、国道27号線を北上し、京都府船井郡京丹波町本庄にある阿上三所神社を訪れた。
この神社の祭神は、伊弉諾尊、伊弉冉尊、国常立(くにとこたち)尊の三神である。
この地方には、阿上三所神社という名称の神社が全部で四社あるが、この本庄にあるお社が、最も古い元宮と言われている。
社殿は小丸山という丘の上にある。長い石段を上がって行くと、拝殿が見えてくる。
この神社は、元禄十四年(1701年)に奉幣使が派遣されて以来、正一位阿上三所大明神と呼ばれるようになった。
本殿は、享和二年(1802年)に再建されたものである。覆屋に覆われて保護されている。
そのためか、まだ新しさを保っている。
本殿は、杮葺きの三間社流造である。
彫刻もなかなか凝っていて、目を愉しませてくれる。
白木の美しい本殿である。檜であろうか。
地方にあるささやかな神社が好きである。
これらの神社は、古くから、農村の人々とその生活を見守って来た神様を祀っている。
室町時代に、農村が荘園領主や守護大名から自立する傾向を見せた時、村の人々が集まって今後の村政を協議した場所が村の神社だった。
村民はそこで決まったことを皆で守ると神前で誓った。
また、農民の生活にゆとりが出てきた室町時代に、村の神社の祭りが行われるようになった。
今の神社の祭りの大半は、中世に始まったものである。
村の鎮守の神様は、その地域に住む人々の拠り所なのである。