玄武洞から南に少し歩くと、柱状節理が綺麗に残る青龍洞がある。
柱状節理が湾曲しているが、溶岩が噴出した際の向きなどで、柱状節理の方向が変わるようだ。
それにしても不思議で独特な風景だ。
玄武洞の北側には、小規模な白虎洞がある。
昔この風景を見た人々は、驚異の念に打たれたことだろう。自然の造形で、このようなものが出来るとは思い難い。
日本人は古くから巨石を信仰してきたが、ここに神社や寺院が建てられなかったということは、信仰する対象とは捉えられなかったのだろう。
何かは分からないが、不思議なものという認識だったのだろうか。
白虎洞の北側には、南朱雀洞と北朱雀洞がある。
南朱雀洞手前の岩石は、柱状節理があまり見られず、ごつごつしている。
溶岩の表面が急速に冷えた場合は、柱状節理は形成されないらしい。
場所や時期によって、岩石の形状も違ってくるようだ。
地球は岩石で出来た惑星である。地中深くでは、岩石は溶けて液状になっているが、それも岩石であることに変わりはない。
地表に現れた岩石は、地球の表情である。石や砂は、岩石が風化して小型化したものだし、土は、石や砂と腐った植物の葉や幹などが混ざったものだろう。
そう考えれば岩石は、我々にとって父母のようなものだろう。