玄武洞公園 後編

 玄武洞から南に少し歩くと、柱状節理が綺麗に残る青龍洞がある。

青龍洞

 柱状節理が湾曲しているが、溶岩が噴出した際の向きなどで、柱状節理の方向が変わるようだ。

 それにしても不思議で独特な風景だ。

 玄武洞の北側には、小規模な白虎洞がある。

白虎洞

 昔この風景を見た人々は、驚異の念に打たれたことだろう。自然の造形で、このようなものが出来るとは思い難い。

 日本人は古くから巨石を信仰してきたが、ここに神社や寺院が建てられなかったということは、信仰する対象とは捉えられなかったのだろう。

 何かは分からないが、不思議なものという認識だったのだろうか。

 白虎洞の北側には、南朱雀洞と北朱雀洞がある。

手前が南朱雀洞、奥が北朱雀洞

南朱雀洞

 南朱雀洞手前の岩石は、柱状節理があまり見られず、ごつごつしている。

 溶岩の表面が急速に冷えた場合は、柱状節理は形成されないらしい。

 場所や時期によって、岩石の形状も違ってくるようだ。

北朱雀洞

 地球は岩石で出来た惑星である。地中深くでは、岩石は溶けて液状になっているが、それも岩石であることに変わりはない。

 地表に現れた岩石は、地球の表情である。石や砂は、岩石が風化して小型化したものだし、土は、石や砂と腐った植物の葉や幹などが混ざったものだろう。

 そう考えれば岩石は、我々にとって父母のようなものだろう。