津山まなびの鉄道館 後編

 扇形機関車庫の中の一室が、「まちなみルーム」という名のジオラマ展示室になっている。

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ジオラマ展示室入口

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津山駅付近のジオラマ

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 扇形機関車庫や津山駅だけでなく、津山城址もジオラマで再現されている。子供のころには、こういうジオラマを見るとわくわくしたものだが、大人になるにつれそんな気持ちが無くなってくる。不思議なものだ。

 かつて扇形機関車庫の事務所として使用されていたと思われる建物には、鉄道の歴史をパネル表示した「あゆみルーム」と切符売り場の内部等を展示した「しくみルーム」の2つの展示スペースがある。

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あゆみルーム、しくみルーム展示館

 まず「あゆみルーム」で鉄道の歴史を振り返る。

 日本で初めて鉄道が開通したのは、明治5年(1872年)10月14日で、新橋ー横浜間の29キロメートルを53分で結んだ。

 明治21年1888年)には、神戸ー姫路間が開通し、翌22年(1889年)に新橋ー神戸間が全線開通した。

 明治24年(1891年)には、神戸ー岡山間が開通し、同年中まで山陽本線尾道まで延びた。

 津山駅が設置されたのは、作備線が運航開始した大正12年(1923年)である。

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昭和初期の津山駅

昭和11年(1936年)には、津山駅に扇形機関車庫が設置された。

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建築当時の扇形機関車庫

 しくみルームに入ると、昔の駅の切符売り場を再現した展示があった。

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昔の切符売り場の再現

 切符売り場の中には、販売する切符を収納した六角式チケット箱、乗車券収納箱が置いてあった。 

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六角式チケット箱、乗車券収納箱

 自動券売機がない時代には、客から行先を聞いて、この箱から該当する切符を取り出して販売していたことだろう。

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昔の特急券

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切符鋏

 昔の特急券や切符鋏も展示されていた。私が小学生のころには、まだこのような手書きの特急券があったような気がする。

 切符鋏も懐かしいものだ。改札の駅員さんが、手慣れた様子で客から受け取った切符に鋏を入れていたものだ。平成生れの世代が物心ついた時には、既にこのようなものは無かっただろうから、こんなものを見ても懐かしいという感覚すら抱かないだろう。

 将来鉄道運賃もデジタル決済されるような時代になれば、切符というものすら無くなるかも知れない。
 昨日紹介したDD51型ディーゼル機関車の断面模型も展示されていた。

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DD51型ディーゼル機関車の断面模型

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DD51型ディーゼル機関車の断面図

 DD51は、61,000CCのインタークーラー付きV12エンジン2基を動力源としていた。この機関から発生した2200馬力の出力を液体変速機で車輪に伝えていた。

 実際に稼働するDD51のエンジン音を聴いてみたいものだ。まあ巨大なバスのような音だろうが。

 津山まなびの鉄道館の土産物販売スペースの脇にも、昔の時刻表などが展示されていた。

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明治23年の時刻表

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 明治23年の時刻表は、時間表示が漢数字であった。

 津山まなびの鉄道館の敷地から、津山駅のホームを眺めることが出来た。

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津山駅ホーム

 津山駅は、姫新線(姫路ー新見間)、因美線(津山ー鳥取間)、津山線(岡山ー津山間)の3つの路線のターミナルとなる駅である。津山駅は、まさに美作の交通網の中心である。

 津山駅前には、昭和10年から生産され、昭和51年の廃車まで使われたC11型80号蒸気機関車が展示されている。

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C11型80号蒸気機関車

 この蒸気機関車は、ローカル線の短区間の旅客列車牽引用として開発され、岡山県では津山線で使用された。

 昭和46年3月の津山線ディーゼル化まで、この車両が津山線で客車を曳いていたのである。

 蒸気はつい最近まで動力源として使われていたのだ。

 鉄道は、19世紀に誕生し、20世紀に世界中に広がった。私も毎日通勤に鉄道を使っている。

 自動車もそうだが、鉄道は我々の生活に無くてはならないものだ。世の中の仕事は、どれも人が生活するのを支えている大事なものだが、今回は日々鉄道の運行に従事する人達に敬意を表したい。