ZC33S スイフトスポーツ 経過報告

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和意谷池田家墓所駐車場にて

 私の愛車ZC33Sスイフトスポーツも、納車してから半年が経過した。オドメーターも約7600㎞となった。ここらへんで、半年乗った感想を書いておく。

 私のスイスポは、6AT車である。スイスポの購入を考えている人の中には、様々な事情で6ATを選ばざるを得ない人がいるだろう。そんな人は、6ATでも走りが楽しめるのかを非常に気にしていると思う。そんな人の参考になれば、と思う。

 私は、MT車も試乗したことがあるが、短距離しか乗っていないので、あまり明確なことは言えない。ただ、その短時間の試乗でもMTの印象が相当良かった。今でも、事情が許せば、この車はMTで乗りたいと思う。

 結論から言えば、それでも私の史跡巡りには、このスイスポ6ATがベストの選択である。とはいえ、今回は太鼓持ち記事ではない。不満な点も書く。

 まず、私が車に求める第一条件は、運転が楽しいことである。スイスポは、この点では合格である。史跡までの移動が苦痛になるような車では、史跡巡りは続かない。今日は史跡巡りが億劫だな、と思っても、スイスポを運転できると思えば出かける気になる。

 次にコンパクトなところがいい。史跡巡りをしていると、集落の中の狭い道や、狭い山道に入らなければいけないことがある。大型のセダンでは、立ち往生してしまうだろう場所にも入り込む。その点、スイスポは3ナンバーとは言え、コンパクトカーである。取り回しはいい。

 次に居住性である。私は、舗装路での走行性能を車選びの第一条件にしているので、SUVやミニバンは最初から選択肢から外れる。先ほどの理由で、セダンも史跡巡りには向かない。

 これは後の不満点で書くが、私はやはりFRの運転感覚が恋しい。しかし、現状でコンパクトなFRとなると、国産車ではロードスターか86/BRZしかない。今後史跡巡りを続けて行けば、車中泊かキャンプをしなければならなくなるだろう。そんな時に、これらロードスターや86/BRZでは、居住性が心もとない。スイスポならば、何とか車中泊も出来そうだ。

 唯一気になるのは、BMW1シリーズ最後のFRであるF20型だが、外車を買うふんぎりがつかない。

 先ほどスイスポはMTで乗りたいと言ったが、史跡巡りをして、細かく走り回る場合は、ATのイージーさがいい。

 これらのことを考慮すると、私の史跡巡りに使うには、スイスポATはベストの選択肢である。

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 次に、走りについて書く。
 特筆すべきは、軽さとコンパクトさである。特にヘアピンカーブが連続するワインディングでは、身のこなしが軽く、どんどん回頭して行く。どんなにパワーがある車でも、重いというだけで、振り回す気がなくなる。

 ESPをオフにすれば、ヘアピンの立ち上がりで2速でスロットルを開けると、ズズズっと四輪が滑るし、前輪が空転する。土屋圭一がスイスポ試乗動画で言っていた「デフが欲しいなあ」というのは、このことだろう。しかし私はデフ付きの車に乗ったことがないので、実際に付いていた方がいいのかは分からない。

 コーナーに侵入する手前で、ギアを落とすが、こんな時にATのパドルシフトで良かったと思う。私の腕では、コーナー手前でクラッチを切って、ブレーキを踏んで速度を落としながら、アクセルを吹かしてギアをつないでいたら、とてもギクシャクするだろう。

 パドルシフトは快適に速く走ることが出来る。ATでもエンジンとのつながりにダイレクト感があっていい。

 私がMTの方がいいと思う理由は、手首でコクッとレバーを入れる感触を楽しめるからである。私は未だに「あれ」が車の運転だと思っている。それにこだわりがないのであれば、ATはお奨めである。スイスポATは、性能的にはMTと遜色ないし、ある意味MTを凌駕している。

 エンジンはパワフルでスムーズである。未だにアクセルを床まで下手踏みしたことがないが、ハーフスロットルでも十分な加速を味わえる。その時に感じるのは、この車の軽さである。

 次に不満点を書く。

 こんなことを書くなら最初からスイスポを買うなよと怒られそうだが、やはりFRの方が運転していて楽しい。後ろから押される感覚は、気持ちがいいものだ。スイスポニュートラルステアに近いし、曲がった時の前輪外側の踏ん張り感が心地よいが、いかにも高性能タイヤのグリップに頼っているという感じがある。

 今タイヤが消耗してきているが、タイヤのグリップが衰えた時に、どんな運転感覚になるのか、逆に楽しみである。

 一方で、FFの安定感もいいと感じる。私はかつてスカイラインでスピンしてしまったことがあるが、スイスポならコーナーで滑っても、アクセルを戻せばすぐに安定した姿勢に戻る。この辺がFFの良さであると同時につまらなさでもある。

 スイスポの直進安定性は抜群である。また、スイスポはFFだからこそ、あの軽量コンパクトを実現できた。一概にFRがいいとも言えない。

 次にエンジンである。エンジンはパワーはあるが、ロングストロークのエンジンなので、高回転まで回らない。5800回転まで回すと、自動的にシフトアップする。2速でワインディングを走っていて、コーナーを脱出し、次のコーナーまで加速すると、コーナー手前で勝手に3速にシフトアップしてしまってガクっとなることがある。3速でもトルクがあるので、速く駆け抜けられるのだが。

 こんな時に、高回転まで回るエンジンがいいと思う。

 スイスポのK14Cエンジンは、高回転までパワーが付いてくるが、回した時にコーンと抜けるような音はしない。よく仕事をするエンジンだが、官能性はない。真面目で努力家のエンジン、という感じだ。ここがスズキらしいのだが。

 半年いろいろ走ってみて、気づいたのは、この車はグリップ走行で走るべきだということである。意図的にタイヤを滑らせる走りをしても、後輪が押し出されるわけではないので、気持ちがいいわけではない。タイヤの踏ん張りを感じながら走るのが、最も楽しいかも知れない。

 私は、マイナーチェンジしたスカイラインの、3000ターボ車に興味津々だが、あの巨体と大パワーの車で史跡巡りをすることを考えると気が引ける。

 最後に燃費だが、エアコンをつける真夏はリッター13~14まで下がる。ここ最近はリッター15くらいまで回復してきた。この走行性能でこの燃費は驚異的だ。

 全ての要求を満たす車はそうないが、私にとってスイスポはまずまず合格である。しかしこの車で一生・・・となるかは分からない。

 このサイズで、4ドアFRが出たら、そっちを買うだろう。しかし、今後そんな車は、電気自動車でもない限り絶対に出てこないだろう。電気自動車には興味が湧かないし、現状ではやはりスイスポがベストか。