葦守八幡宮 

最上稲荷の参拝を終えて、次なる目的地である葦守八幡宮に詣でた。岡山市北区足守に鎮座する。 この神社の参道の始まりにある石造の両部鳥居は、在銘の鳥居としては、岡山県下最古である。 葦守八幡宮の石造鳥居 両部鳥居というのは、鳥居の両足に稚児柱が付…

最上稲荷 その8

八畳岩の見学を終え、龍王山山頂にある最上稲荷の奥之院を目指した。 登っていくと、鳥居の手前の平坦な広場に出た。 鳥居前の広場 この広場やその付近には、昭和14年に建てられたラジオ塔と、昭和4年から昭和19年まで営業していた、中国稲荷山鋼索鉄道(ケ…

最上稲荷 その7

本滝の見学を終えて、更に龍王山を登っていく。 途中、赤鳥居があり、ここから聖域が始まるような雰囲気を漂わせている。 参道途中の赤鳥居 赤鳥居を過ぎて、参道を奥之院目指して登っていく。 すると、高く聳える巨石群が見えてくる。題目岩のある巨石群で…

最上稲荷 その6

旧本殿霊応殿のある場所から、背後の龍王山に登る参道が始まる。 龍王山への参道 この先は、急な階段が続く。 龍王山中腹にある八畳岩は、開基報恩大師が本尊最上位経王大菩薩を感得した場所である。 言わば、最上稲荷の始まりの場所である。 龍王山こそ、最…

最上稲荷 その5

七十七末社が祀られているエリアの中心に、旧本殿の霊応殿が鎮座する。 霊応殿 霊応殿は、最上稲荷で最古の建造物である。 寛保元年(1741年)に、妙教寺七世日道聖人によって再建された。 奥から順に、本殿、誦経堂、拝殿、前堂の四棟から成っている。 前堂…

最上稲荷 その4

本殿(霊光殿)の東側には、宝光閣という建物がある。 和風建築だが、建物の下を煉瓦アーチ橋が支えていて、その下を道路が通っている。 宝光閣 宝光閣の下部の煉瓦アーチ橋 宝光閣 和風建築と煉瓦の組み合わせは、いかにも明治らしい。 大客殿から宝光閣、…

最上稲荷 その3

最上稲荷の広大な境内の東側には、客殿や根本大堂といった古い木造建築が建つ一角がある。 昭和になってから建てられた仁王門と霊光殿を見た後に、ようやく古い寺院の雰囲気を味わうことが出来た。 根本大堂の周辺の図 山門 国登録有形文化財の山門を潜って…

最上稲荷 その2

最上稲荷の寺域は広大である。 背後の龍王山の山頂には奥之院がある。 最上稲荷の参拝コース 私は先ず、最上稲荷を開基した報恩大師の御廟に詣でようと思った。 境内は参拝客でごった返していたが、御廟のある最上霊園に行くと、私1人しかいない。静かな気…

最上稲荷 その1

佐古田堂山古墳の上から北方を望むと、龍王山が目に入る。 その麓に祀られているのが、最上(さいじょう)稲荷という日蓮宗のお寺である。正式名称を最上稲荷山妙教寺という。 岡山市北区高松稲荷に鎮座する。 龍王山 最上稲荷は、京都府の伏見稲荷大社、愛…

佐古田堂山古墳

最上稲荷の巨大な鳥居を潜って、岡山県道241号線を北上する。 右手にある岡山市北区平山の集落の中に、小高い丘陵がある。 この丘陵上に、全長約150メートルという大きな前方後円墳がある。岡山県指定史跡の佐古田堂山(さこだどうやま)古墳である。 佐古田…

文英の石仏群 後編 大崎廃寺跡

岡山市北区三手の集落にある臨済宗の寺院、真福寺にも、四体の文英の石仏がある。 真福寺 本堂 真福寺の山門を潜ると、正面に本堂がある。山門から入って左に行くと、無縁仏の墓石が多数ある。 この墓石群の左側に、文英の石仏がある。 無縁仏の墓石 四体の…

文英の石仏群 前編

1月6日に備中の史跡巡りを行った。 岡山市北区の立田から門前にかけて、天文年間から天正年間(1532~1592年)に渡って制作された石仏群が存在する。 石仏の大半に、文英という制作者の銘が刻まれているので、文英の石仏群と呼ばれている。 岡山市北区門前…

灘黒岩水仙郷 淡路島モンキーセンター 立川水仙郷

灘黒岩の集落から紀伊水道沿いに県道76号線を東に行くと、灘黒岩水仙郷がある。 私が訪れた12月30日は、まだ水仙のシーズンではなかったが、それでも幾らかの水仙が花をつけていた。 灘黒岩水仙郷 急斜面に水仙が植えられ、斜面に遊歩道が備え付けられている…

諭鶴羽神社 後編

天の浮橋遥拝所の奥には、山ぼうしの広場という広場がある。そこに淡路出身の近衛師団兵卒OBたちが昭和60年に建立した、平和祈念塔がある。 平和祈念塔 近衛師団は、宮城(皇居)を防衛する師団で、陸軍の精鋭師団である。 淡路全島から近衛師団に配属された…

諭鶴羽神社 中編

本殿に向かって左奥には、末社の水(すい)神社がある。その左側に、建武元年(1334年)銘の五輪卒塔婆町石がある。 水神社 水神社の祭神は、水源の守護神である弥都波能売(みづはのめ)命である。 諭鶴羽山に降った雨は、麓の人々の生活のための水源になっ…

諭鶴羽神社 前編

亀岡八幡神社から南下すると、淡路南部を東西に横断する兵庫県道76号線通称南淡路水仙ラインに合流する。 県道76号線を東進し、阿万東町の玉葱畑の中を通ると、産直ねこの郷という玉葱の直売所がある。 その手前(西側)の交差点のあたりが、九蔵遺跡が発掘…

南あわじ市 正福寺 萬勝寺

亀岡八幡神社の参拝を終え、本庄川沿いに集落の細い道を東進する。 しばらく行くと、本庄川にかかる薬師橋という橋に至る。 薬師橋 この橋の北西側に、かつて兵庫県指定文化財の木造薬師如来坐像を祀っていた正福寺の跡がある。 石積みの塀が目印である。こ…

南あわじ市 亀岡八幡神社 後編

亀岡八幡神社の西側には、摂社松浦高良神社が祀られている。 松浦高良神社 この神社の祭神は、古くから海人族が氏神として祀ってきた住吉大神と、応神天皇の参謀であった武内宿禰こと高良大神である。 海人族は、太古に海を渡って何処からかこの地に渡ってき…

南あわじ市 亀岡八幡神社 前編

昨年12月30日に淡路の史跡巡りを行った。 最初に訪れたのは、兵庫県南あわじ市阿万上(あまかみ)町にある亀岡八幡神社である。 亀岡八幡神社 亀岡八幡神社鳥居 神功皇后は三韓征伐の帰途、重臣の武内宿禰にまだ幼い応神天皇を預け、瀬戸内海から鳴門海峡を…

伊喜末八幡神社 長浜貝塚

浄源坊の参拝を終えて、レンタサイクルで香川県道253号線を北上する。 香川県小豆郡土庄町伊喜末(いぎすえ)にある伊喜末八幡神社に参拝した。 伊喜末八幡神社広場南側鳥居 伊喜末八幡神社は、海抜約50メートルの丘の上に建つ。丘の南側には、祭りのときに…

津山藩陣屋跡 浄源坊

宝生院の見学を終え、レンタサイクルで西に走った。 土庄町渕崎に、土庄町立渕崎小学校があるが、ここは江戸時代後期に小豆島を領有した津山藩の代官所が置かれた場所である。 津山藩陣屋跡 小豆島は、元和元年(1615年)から幕府直轄領であったが、天保九年…

皇踏山吉祥寺宝生院 後編

大師堂の北側には、本尊の地蔵菩薩を祀る本堂がある。 本堂 この本堂は、それほど古い建物ではないだろうが、なかなか見ごたえがあった。 蟇股の龍の彫刻 本堂に入ると、格天井に植物画が描かれている。外陣と内陣の間の欄間には、極彩色の天女の彫刻が施さ…

皇踏山吉祥寺宝生院 中編

宝生院のシンパクの見学を終え、宝生院の境内を散策しようと思った。 この寺は、小豆島有数の名刹であると思われるが、観光客はシンパクに目が行って、寺院の拝観はあまりしていない様子であった。 私が宝生院を訪れた時、シンパクの見物客が多数いたが、シ…

皇踏山吉祥寺宝生院 前編

富丘八幡神社の参拝を終え、レンタサイクルで北に走り、香川県小豆郡土庄町北山にある真言宗の寺院、皇踏山吉祥寺宝生院を訪れた。 宝生院 この寺を訪れた目的は、国指定特別天然記念物の、宝生院のシンパクという巨樹を見学するためである。シンパクは、真…

富丘八幡神社 後編

富丘八幡神社の境内には、江戸時代後期の但馬出身の石工、丹波佐吉が作った神馬がある。 丹波佐吉作の神馬 丹波佐吉は、文化十三年(1816年)に但馬国竹田に生まれ、5歳の時、丹波の石工難波金兵衛伊助の養子になる。 22歳から渡りの石工となり、大和、伏見…

富丘八幡神社 中編

楼門を潜って境内に入ると、すぐ目の前に豪華な拝殿がある。 この拝殿の彫刻は、なかなか見応えがある。 拝殿 向拝の彫刻 拝殿には、前に長く伸びた唐破風の向拝が付いている。その蟇股の龍の彫刻などが見事である。 明治33年の扁額 拝殿に、皇紀2560年(西…

富丘八幡神社 前編

土庄町渕崎甲の街並みを東に行くと、国道436号線沿いに富丘八幡神社の鳥居がある。 富丘八幡神社の鳥居 富丘八幡神社は、小豆島に五つある五社八幡宮の一つで、鳥居の先にある八幡山という小さな丘の上に鎮座する。 一の鳥居を潜って参道を歩いていくと、小…

土庄町ところどころ

土庄郵便局の東側には、永代橋という橋が架かっている。 この橋は、小豆島本島と、本島の南西側にある前島を結んでいる。 永代橋 この永代橋の下を通っているのが、ギネスブックで世界一狭い海峡と認定された土渕海峡である。 永代橋と土渕海峡 土渕海峡は、…

小豆島尾崎放哉記念館

鹿島明神社から東に走り、土庄の町に戻って来た。 土庄町本町甲にある小豆島尾崎放哉(ほうさい)記念館を訪れた。 小豆島尾崎放哉記念館入口の句碑 尾崎放哉は、明治18年に鳥取県邑美郡吉方町に生まれた。 鳥取県立第一中学校を卒業後、第一高等学校、東京…

鹿島明神社

小瀬石鎚神社の参拝を終えて、不動山から下り、小豆島西端の県道をレンタサイクルで南に走る。 海の先には、屋島が手が届きそうなほど近くに見える。 海の先にある屋島 県道を南下すると、香川県小豆郡土庄町千軒の集落に入る。集落の東端の山裾に、大坂城石…