2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

用瀬宿

鳥取市用瀬(もちがせ)町用瀬は、江戸時代には宿場町であった。 用瀬宿は、智頭宿から鳥取城に向かった場合の次の宿場町である。当時の戸数は約280戸、人口は約1000人を数えたという。 本陣、牢屋、制札場が設けられ、十数匹の駅馬も用意されていた。 用瀬…

熊野神社遺跡 後編

小さな鳥居を過ぎて参道を行くと、道が二手に別れている。 左に行くと、燈明の塔と呼ばれる巨石の上に載った石塔がある。 燈明の塔への道 燈明の塔と巨石 燈明の塔は、二つに割れた巨石の上に載っている。 ここではこの岩の間を通ることで、今までの人生で積…

熊野神社遺跡 前編

「鳥取県の歴史散歩」によれば、佐治四郎重貞が根拠地とした場所の一つが、鳥取市佐治町大井にある熊野神社遺跡であるという。 どんな場所か分らぬが、取り敢えず行ってみることにした。 訪れてみると、今まで見たこともないような不思議な史跡であった。 熊…

佐治谷

用瀬(もちがせ)の宿場町から西に向かって佐治川沿いを走ると、俗に佐治谷七里と呼ばれる東西に細長い佐治町に入る。 佐治川 佐治谷には、佐治川沿いに小さな集落が続いている。この地を開拓したのは、鎌倉時代に佐治谷の地頭職になった武家の佐治氏である…

瑠璃山東光寺

犬山神社から北上し、鳥取市用瀬町古用瀬にある真言宗の寺院、瑠璃山東光寺を訪れた。 瑠璃山東光寺 東光寺は、和銅元年(708年)に行基菩薩が開基したと伝えられている。当初の寺号は、瑠璃山長福寺といった。 その後2度の火災に遭ったが、鳥取藩主池田光…

鳥取市 犬山神社

唐櫃城跡から智頭の町に戻り、そこから国道53号線を北上した。 鳥取県鳥取市用瀬(もちがせ)町宮原にある犬山神社を訪れた。 私が鳥取市内の史跡を訪れたのは、これが初めてである。 犬山神社参道 犬山神社は、標高905メートルの篭山の北北東の尾根上にある…

唐櫃城跡

香音寺城跡から北上し、鳥取県八頭郡智頭町大字木原にある唐櫃城跡を訪れた。 唐櫃城跡 唐櫃城跡案内板 唐櫃城跡は、標高299メートルの岩谷山の山上にある。とは言え、元々このあたりの標高が高いので、平地との実際の高低差は約60メートルほどである。 国道…

光恩寺跡 香音寺城跡

那岐神社からJR因美線那岐駅前に戻った。 那岐駅の東側にはトンネルがある。そのトンネルのある山上に、かつて光恩寺という禅寺があったという。 光恩寺のあった山 因美線那岐駅 那岐駅の木製改札 この那岐駅は、駅舎内に診療所があり、集落に住む住民の拠り…

智頭町 極楽寺 那岐神社

私が住む兵庫県に、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が発出されたのが8月20日である。 その前日の8月19日に、因幡の史跡巡りをした。 前回の美作の史跡巡りも台風で雨降りしきる中だったが、今回も雨の中の史跡巡りとなった。 まず訪れ…

敏馬神社

8月15日に西宮に墓参りに行った。 その帰りに、神戸市灘区岩屋中町4丁目にある敏馬(みぬめ)神社を訪れた。 敏馬神社鳥居 敏馬神社は、神戸市の副都心と呼ばれるHAT神戸の北側にある。 敏馬神社の南側には、国道2号線が通っているが、昭和の初めまでこの…

「倒壊する巨塔」

西暦2001年9月11日に発生したいわゆるアメリカ同時多発テロ事件から20年が経過した。 印象的な事件を回顧するときには、「あの時自分は何をしていたか」という記憶も同時に浮かび上がってくるものだが、私の場合も同事件を知った時に自分がどこで何をしてい…

作楽神社 後編

作楽神社の境内の東側には、院庄館の東大門の跡がある。 児島高徳は、この東大門の近くにあった桜の木に十字の詩を書きつけたという。 東大門跡 院庄碑 貞享五年(1688年)、津山藩森家の家老、長尾勝明は、東大門跡に児島高徳を顕彰する石碑を建てた。 貞享…

作楽神社 前編

真福寺から南下し、津山市下田邑にある流通第二公園に向かった。 ここは、津山市街の郊外にある企業団地の中の公園だ。 流通第二公園 この公園の南側の丘の上に、田邑丸山古墳群があるとのことであった。 丘に入る道があったので、登ってみた。 丘に入る道 …

津山市加茂町ところどころ

津山市加茂町の中心部にある万燈山古墳の見学を終えると、加茂町の中心部から倉見川沿いに北上した。 県道336号線を約4キロメートル行くと、木もれ陽の森キャンプ場に入っていく細い道がある。 このキャンプ場の中に、8世紀半ばのたたら製鉄の遺跡であるキ…

万燈山古墳

津山市加茂町塔中にある万燈山古墳は、6世紀末に築かれた円墳である。 古墳は、めぐみ荘という老人ホームから北に行った突き当りの丘上にある。 万燈山古墳がある丘 古墳への登り口 登り口から登り始めると、舗装路に出る。舗装路に出てすぐに左側に登る道…

矢筈城跡 後編

矢筈城跡を登るにつれて、雨脚が早くなってきた。傘を差しながら登山を続けた。 台風で警報が出る中の登山など、我ながら正気の沙汰ではないなと思ったが、逆に言うと片手で傘を差しながら登れるほど登りやすい登山道が続くのである。 大岩を過ぎてしばらく…

矢筈城跡 前編

JR知和駅の前の道から、矢筈城跡のある矢筈山を見上げることが出来る。 矢筈山は、標高約756メートル。この山上にある矢筈城跡は、全国の城跡の中でも、最も高地にある城跡である。 矢筈山 矢筈山は、巨大な山体を持つ山である。JR美作河井駅前には、矢筈城…

因美線の鉄道遺産

8月9日に台風9号が九州から中国地方を横断した。 こんなコンディションの日に、物好きな私は美作の史跡巡りに出掛けた。 この日の目的地は、津山市の北部で、私が訪れた時は丁度台風が津山市に接近していて警報が出ていた。 しかし、台風の中心に近い方が…

明神崎

江井崎から南下すると、海に突き出た岩の岬がある。明神崎である。地名で言うと、淡路市明神になる。 明神崎 明神崎は、白色の奇岩で囲まれた岬だが、その奇岩群の上に西濵神社という神社が建ち、その周囲を自生したイブキが囲んでいる。 明神崎は、かつては…