2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

津山市 泰安寺 妙法寺

徳守神社から西に歩き、藺田川を越えて西寺町に入る。西寺町は、多数の寺院が集中する町である。 今日は西寺町にある2寺院を紹介する。 まず訪れたのは、浄土宗の寺院、泰安寺である。 泰安寺表門 泰安寺は、森氏の所領だった美濃国金山にあった涅槃寺が前…

徳守神社

妙願寺から西に歩き、津山市宮脇町の徳守神社に至る。 徳守神社 徳守神社の祭神は、天照大神である。天平年間(729~749年)にこの地に勧請されたという。 当社は、中世には、田中郷富川宿の鎮守であったが、天文八年(1539年)の尼子・山名両氏の合戦により…

法雲山妙願寺

津山市の中心にある百貨店天満屋に車を駐車して、徒歩で津山城下の寺社等を巡ることにした。 最初に訪れたのは、平沼騏一郎首相の旧宅を復元した知新館である。津山市南新座にある。 知新館 平沼騏一郎は津山出身の法曹家で、検事総長や大審院(現在の最高裁…

津山郷土博物館 後編

当ブログ今年2月3日の「旧勝北町の史跡」の記事で、津山市役所勝北支所の前にある宝篋印塔二基を紹介した。 この辺りからは昭和57年の国道53号線拡幅工事の際に、中世の墓地の遺跡が見つかった。観音堂遺跡という。 観音堂遺跡からは、古備前の骨蔵器や、…

津山郷土博物館 前編

つやま自然のふしぎ館の東隣には、旧津山市庁舎を利用した津山郷土博物館が建っている。 津山郷土博物館 津山郷土博物館の建物は、昭和8年に津山市政施行を記念して建てられたもので、約50年間津山市庁舎として使用された。 津山市内の鉄筋コンクリート造り…

つやま自然のふしぎ館 後編

つやま自然のふしぎ館第9室には、極地の生物だけでなく、南米の動物の標本も展示されている。 ジャガーの標本など、今にも襲いかかってきそうな迫力だ。 ジャガーの標本 一方木からぶら下がるナマケモノは、なんとものどかな風情だ。これでよく今まで生存競…

つやま自然のふしぎ館 中編

つやま自然のふしぎ館の2階に上る。 第5室は、「日本とアジアの動物」がテーマだが、いきなり牙を剥きだした2頭のトラが出迎えてくれる。 第5室の展示 アムールトラとスマトラトラ シベリア地方に生息するアムールトラ(写真右)と、インドネシアに生息…

つやま自然のふしぎ館 前編

道路を挟んで、森本慶三記念館の東隣にあるのが、昭和38年に開館した、つやま自然のふしぎ館である。 つやま自然のふしぎ館 森本慶三は、津山有数の富豪だった錦屋を継いだが、途中で自分の商才の無さに気づいて錦屋を廃業してしまった。 錦屋には莫大な富が…

森本慶三記念館 後編

津山森本家が経営した錦屋は、明治に入ってからも呉服商を続けていたが、明治15年に時計の販売を始めた。 津山初の時計店森本時計店である。森本時計店が明治時代に扱っていた置時計が展示されていた。 森本時計店が扱った置時計 しかし明治時代には、時計は…

森本慶三記念館 前編

津山城跡の北側、三枚橋の西詰に、幕末の津山藩の洋学者・宇田川興斎の旧宅跡がある。今は三角形の雑草が生い茂る空き地に説明板が立つのみである。 宇田川興斎旧宅跡 説明板 今年7月30日の当ブログ記事「津山洋学」で紹介したように、津山藩は洋学が盛んな…

津山城跡 後編

表鉄門の跡を通過し、津山城跡の本丸跡に入る。広々とした空間が広がる。 本丸の空間 かつてこの本丸跡には、広壮な本丸御殿が建っていた。 本丸から、今まで登って来た城の石垣群を見下ろす。 眼下の石垣群 さて、本丸の南西隅に、平成17年に再建された備中…

津山城跡 中編

熱風が吹く中、津山城跡を散策する。 かつて表中門があった辺りは、広い石段を北東西の三方向から石垣が囲んでいる。 表中門跡 広い石段の左手にある石垣が、これまた見事な穴太積である。 穴太積の石垣 不揃いな形の石垣の組合せが、隙間のない緊密な石垣よ…

津山城跡 前編

JR津山駅前には、今年7月30日の当ブログ「津山洋学」の記事で紹介した、津山藩を代表する幕末の洋学者、箕作阮甫(みつくりげんぽ)の銅像がある。 箕作阮甫像 大体駅前に設置される銅像は、その地域が最も誇りとする人物や、その地域を象徴するものの像…

津山まなびの鉄道館 後編

扇形機関車庫の中の一室が、「まちなみルーム」という名のジオラマ展示室になっている。 ジオラマ展示室入口 津山駅付近のジオラマ 扇形機関車庫や津山駅だけでなく、津山城址もジオラマで再現されている。子供のころには、こういうジオラマを見るとわくわく…

津山まなびの鉄道館 前編

美作に鉄道が敷設されたのは、明治31年の中国鉄道津山線(現JR津山線)の岡山津山間が開通したことに始まる。 美作地域には、古い鉄道駅舎など、鉄道遺産が数多く残っている。 岡山県津山市大谷にある、津山まなびの鉄道館は、国内では京都の梅小路機関車…

海神社

神戸市垂水区を代表する神社と言えば、海神社である。 海神社は、JR垂水駅のすぐ近く、神戸市垂水区宮本町にある。 古くは海(わたつみ)神社と呼ばれたが、最近は海(かい)神社と呼ばれることが多い。名前の通り海の近くに建つ、海の神様を祀った神社で…

五色塚古墳

舞子公園から東に進み、神戸市垂水区五色山にある五色塚古墳を訪れる。ここは国指定史跡となっている。 五色塚古墳 五色塚古墳は、全長約194メートルの前方後円墳で、兵庫県下最大の古墳である。全国の前方後円墳の中では、40位前後の大きさだ。 この古墳は…

移情閣 後編

移情閣は、明石海峡大橋建設工事に伴い、平成6年に一度解体され、元々建っていた場所から南西約200メートルの現在地に移転復元された。移転工事が終了したのは平成12年4月のことである。 移情閣の名の由来は、八角三層の塔から展望する六甲山系、大阪湾、…

移情閣 前編

舞子公園の中に、国指定重要文化財となっている洋館・移情閣がある。 移情閣 移情閣は、中国浙江省出身で、神戸で活躍した中国人実業家呉錦堂(1855~1926年)が建てた別荘「松海別荘」が前身である。 明治18年に来日した呉錦堂は、行商をしながら蓄財し、関…

舞子

大歳山遺跡公園から南下し、神戸市垂水区東舞子町にある兵庫県立舞子公園に着く。駐車場に車をとめる。 車を降りれば、眼前に明石海峡の解放感ある景色が広がり、海風が鼻腔を搏つ。 明石海峡 頭上を明石海峡大橋が通り、対岸の淡路島が指呼の間に見える。私…

大歳山遺跡公園

多聞寺から南下し、神戸市垂水区西舞子にある大歳山遺跡公園を訪れる。 大歳山遺跡公園 大歳山遺跡公園は、標高約30メートルの台地上にある。芝生が張られ、広々とした心地好い空間だ。 ここには、元々大歳山という山があった。山上に大歳神社が祀られていた…

吉祥山多聞寺

明石城を出て、車を神戸市西区伊川谷町有瀬に向けて走らせる。 有瀬にある神戸学院大学のキャンパスには、平成7年1月17日の阪神淡路大震災で故障した、明石市立天文科学館の2代目大時計が移設され、現在も時を刻んでいる。 神戸学院大学有瀬キャンパス 大…

明石城 後編

明石城の巽(たつみ)櫓は本丸の南東に、坤(ひつじさる)櫓は本丸の南西に建つ三重櫓である。 両方、国指定重要文化財である。 手前が巽櫓、奥が坤櫓 巽櫓は、安土桃山時代に明石川河口付近に建てられた船上(ふなげ)城の天守か櫓を移築したものとされてい…

明石城 前編

人口約30万人の明石市の象徴となる建物が明石城である。天守はないものの、国指定重要文化財の三重櫓2棟を有する近世の本格的城郭建築の遺構である。 別名喜春(きしゅん)城と呼ばれる。 かつて訪問した明石市立文化博物館には、明石城の模型が展示してあ…