2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

書写山圓教寺 後編

三之堂から更に参道を進むと、見えてくるのが、鐘楼である。 鐘楼は、元弘二年(1332年)の建築。鐘は元亨四年(1324年)の再鋳とされる。鐘楼は、国指定重要文化財である。 鐘楼 鎌倉時代後期の様式を残し、鐘楼としては、兵庫県下最古の遺構である。 次に…

書写山圓教寺 中編

圓教寺拝観のクライマックスは、何といっても、大講堂、食堂、常行堂の三之堂である。 私が圓教寺に来るのはこれで5回目だが、いつ来ても三之堂の壮大さに圧倒される。 三之堂 規模の大きさがなかなか写真では伝わらないが、装飾のない簡素な木造建築である…

書写山圓教寺 前編

姫路市にある天台宗の寺院、書写山圓教寺(えんぎょうじ)。ここは西国三十三所観音霊場の第27番札所である。書写山上に聳え立つ数々の伽藍の壮大さから、西の比叡山と呼ばれる。 今では、トム・クルーズ主演映画「ラスト・サムライ」や、ドラマ「軍師官兵衛…

白旗城跡

赤松円心が築城し、その後赤松氏の本拠地となった白旗城跡は、宝林寺から車で少し走ったところにある。兵庫県赤穂郡上郡町にある赤松という集落に登山口がある。 ここは、赤松氏ゆかりの相生市の感状山城、姫路市夢前町の置塩城と共に、国指定史跡となってい…

日産スカイライン

スカイライン。 この言葉を耳にすると、私は懐かしいような、切ないような、甘酸っぱいような、そんな気持ちになる。と同時に、胸の高鳴りを覚える。私をこんな気持ちにさせる車は、スカイラインしかない。 スイフトスポーツを愛車にしている今でも、スカイ…

宝林寺 円心館

鎌倉時代末期から戦国時代にかけて、播磨の国はおろか、日本国を騒がせた武家・赤松氏。 兵庫県赤穂郡上郡町河野原にある宝林寺は、赤松氏ゆかりの寺である。赤松則祐(そくゆう)が、備前国新田庄にて、雪村友梅に開山させて、臨済宗の寺院として創建した。…

飾磨の天満宮

亀山本徳寺の東側の南北道は、飾磨街道と呼ばれている。 飾磨は、古くから港町として知られていた。江戸時代には、姫路の城下町に物資を搬出入する港として発展した。姫路の城下町から飾磨港までをつなぐ道が、飾磨街道である。 飾磨街道 今となっては面影も…

亀山本徳寺 後編

亀山本徳寺本堂に渡り廊下で接続する中宗堂は、国登録有形文化財である。 中宗堂 中宗堂には、浄土真宗の中興の祖である蓮如が祀られている。華麗な祭壇である。蓮如の時代に、浄土真宗は日本中、特に北陸に広まることになる。 蓮如を祀る祭壇 本堂から、渡…

亀山本徳寺 前編

姫路市飾磨区亀山にある亀山本徳寺は、浄土真宗本願寺派の寺院である。元々英賀城内にあった一向宗の寺院、英賀御堂の後身である。 英賀の地は、15世紀の蓮如の時代に、一向宗の信仰が広がり、城主の三木氏も門徒となった。土塁に囲まれた英賀城は、城という…

英賀神社

JR姫路駅の西隣の駅は、JR英賀保(あがほ)駅である。英賀保駅の南側は、英賀と呼ばれる地域である。 「播磨国風土記」によれば、播磨国がヤマト王権の支配下に入る前の同国の支配者は、伊和大神という神様であった。伊和大神の御子である英賀彦、英賀姫は、…

太山寺、野磨駅家跡

有年から国道373号線を北上し、兵庫県赤穂郡上郡町に入る。上郡町は、兵庫県で最も西の自治体である。隣は岡山県である。 上郡町西部の高山という地域に、山上の寺院がある。西高野と呼ばれる、高野山真言宗の太山寺である。 ここは、奈良時代に行基が開いた…

有年 後編

有年原・田中遺跡公園から北を見ると、蟻無山という小高い丘がある。この山の上に、蟻無山古墳がある。築造は5世紀前半。第16代仁徳天皇の時代か。 蟻無山 70メートルほどの高さの丘なので、登山と言うほどのこともない。頂上には、県史跡の蟻無山1号墳が…

有年 前編

赤穂市北部の国道2号線沿いに、有年(うね)という地域がある。ここは、2つの古代遺跡が発掘された地域である。遺跡は、今は公園となっている。 そのうちの一つが、東有年・沖田遺跡公園である。 ここは、縄文時代(約4000年前)から室町時代(約600年前)…

林田

姫路市の北西部に、林田という地域がある。昭和42年に姫路市に合併されるまで、林田町は独立した自治体だった。 ここは、江戸時代に林田藩建部家が領していた。石高は1万石で、小藩である。小藩ながら、林田藩建部家は、元和三年(1617年)から明治まで領地…

赤穂ところどころ

赤穂シリーズも今回で終わりである。 赤穂城のすぐ隣にあるのが、赤穂市立歴史博物館である。建物を裏から見たら、蔵を並べたデザインをしている。 赤穂市立博物館 かつて赤穂は潮の干満を利用した塩田による製塩が盛んであった。歴史博物館には、製塩用具や…

赤穂城

赤穂城が現代の形となったのは、正保2年(1645年)、常陸笠間から浅野長直が入封してからである。赤穂城は、慶安元年(1648年)から寛文元年(1661年)まで、完成に13年の歳月が費やされた。甲州流軍学者近藤正純が設計した海岸平城である。 江戸時代の城と…

赤穂大石神社

赤穂城の三の丸には、かつて大石内蔵助の邸宅があった。江戸時代には、幕府の公法を犯した赤穂義士を表立って顕彰することは出来なかった。地元の人たちは、大石邸跡にひっそりと小詞を建てて義士を祀っていた。 明治元年に明治天皇が東遷された際に、赤穂義…

赤穂 尾崎地区

坂越から赤穂御崎方面に走ると、赤穂市立美術工芸館田淵記念館がある。 赤穂は、製塩で有名である。江戸時代に赤穂で塩田経営、塩問屋、塩廻船業で財を成したのが、田淵家である。 田淵家は、最盛期の文化文政年間(1804~1830年)には、約106町歩の塩田を有…

坂越

坂越(さこし)は、兵庫県赤穂市東部に位置する港町である。古くから良港として知られ、町の中心を通る大道沿いには、白壁と焼板の町家が並ぶ。 坂越の町並み 海に面する町中を歩くと、大避(おおさけ)神社に辿り着く。 大避神社は、大避大神を祭神とする。…

瓜生羅漢と感状山城跡 附布勢駅家跡

兵庫県たつの市新宮町から佐用郡佐用町に抜ける国道179号線を進むと、播磨科学公園都市の案内標識が出てくる。播磨科学公園都市は、兵庫県の相生市、たつの市新宮町、赤穂郡上郡町、佐用郡佐用町にまたがる山地を切り開いて開発された学術研究都市である。 …

新宮町ところどころ

山川出版社「歴史散歩シリーズ」に記載している史跡を全部巡ろうとすると、相当マイナーな史跡を巡ることになる。 個人的に全く興味がない史跡でも、「歴史散歩」に載っているから、とりあえず行ってみる、というのも一つの冒険である。結果、予想外の好印象…